高知県安芸郡北川村産。島ノ宮更紗において、極め付きの短弁種〈帝王〉が長い間仮称のまま未登録だったとは意外な事でした。独特な単弁の桔梗咲きといった花だけに注目しがちですが、変化に富んだ上質な葉はチャボ芸として捉えても一級品です。
このグループを用いた交配種の大量作出は、寒蘭界にダメージを与えた大失態と言わざるを得ませんが、〈帝王〉自体が自然種であるという事実は何よりも尊いし、全体の完成度にしても、これによって創られた交配品種より上のレベルを保っているのは、せめてもの救いだと思います。
花付の中苗4条立を載せました。開いてから20日が過ぎた花ですが寒い時期ということもあり、まだ2週間位はイケるかもしれません。
※プラ春蘭鉢5.0号植込み
