〈美里紅〉または〈三里紅〉で知られる未登録品種。広弁広舌の赤花三角咲、無点系の中輪花。発色が不十分だと更紗にとどまります。
赤無点の〈御神錦〉や 更紗無点の〈花鳥〉とは共通点が多い同じグループ。 もし、それぞれが最高に咲いたときに、3品種の花を競わせたら〈美里紅〉が一番でしょう。
この花が秋も深まって咲けば持ち味を発揮しやすいのに、早咲きの性質を持っていることは悩ましい。対処法を考えれば、早期に付いた花芽は切除！そして、気長に遅い花芽だけを残して「遅咲き待ち！」というのが正解かもしれません。
「参考画像」は平成元年に地元で発行された寒蘭写真集のものを敢えて使っています。被写体の実際は、とても素晴らしい作品でした。現物で十分通用するのに、写真集に加工のイキ過ぎた画像を用いて信用を損ねるなど予想しなかったのでしょうか。
そして〈美里紅〉は、後に「〈京の夢〉の坪採り」として(更紗無点に咲いた写真付きで)市場にあふれ、多くの被害者を出しました。正体を明かされていたら(この一件の価格設定では)誰も手を出さなかったものを・・・。 どちら様が仕掛けたのか知らないけど、後から判るのに、こんな有名品種を使って「よくもまあ、やりやがった」ものです。
商品について・・・根は良いが、葉先を傷めてる中木株。それは環境が明る過ぎる割に、水と施肥が不足しているのが影響しているのでしょう。
赤花の発色に適した作場をお持ちの方であれば。挑戦する価値はあると思います。
※プラ寒蘭鉢(直径15.3cm)植込み
