201028-1 名ノ浦青花特別 (未登録) SOLD OUT ありがとうございました
  
高知県室戸市吉良川町名ノ浦の産。 正三角より角度を上げる三角咲き青花、大輪〜巨大輪。伸びやかな副弁は先端に向かうほど水平方向に広がり、弁先は花が古くなってもキレを失うことはありません。
花のサイズや、舌の大きさなどで、ごまかさず、奇をてらわず。 日本寒蘭の基本形に準ずる「スタンダードな青花」として評価できる最高級品種です。

花が確認された時期は古く1980年代にまでさかのぼります。ご当地、吉良川町の知人が、中苗の状態で花を咲かせていた株を酷く失敗してしまい、再生を諦めていたところを購入したのが始まりでした。
複数回の機会があったにもかかわらず命名登録に至らなかったのは「隠し玉として温存していた」「山蒔きなど人工交配品種の登録(しかも自然種として)が目立っていた時期だったので、同列に見られることを避けたかった」事の2つが理由です。

葉は、名ノ浦にしては珍しい硬質肉厚で、何度か中苗で4枚葉を出した事はあっても、成木で4枚に至った例は、私以外の栽培者を含めたとして、1度もありません。
また今までに、株立ちが大きくなっても、やっこ吹き(1つのバルブから2芽出ること)の例が無かったことは、繁殖力の乏しさを物語っています。

「花の見本」2015年、2017年の被写体は博多スターレーンの出店で展示したものです。花の大きさは、2014年が約10cm、 2015年は最大で13cm、2017年12cm弱でした。

商品は3枚葉の古木から出た新芽が8割ほどの仕上がりです。先に載せた201026-2の商品よりコンディションは格段上回っています。

この商品のご購入にあたって、人工交配(山蒔きを含む)の行為者さんはご遠慮願います。私は業者なので、買って欲しいのは山々ですが、すでにこの品種をお持ちの方々を失望させてはいけないって事が念頭にあります・・・。前例の「白西平、一の谷の名品〈日本一〉〈大翔〉などを使った人工交配種の大量作出」の件で、寒蘭界に対して強い疑念を抱くほどのショックを受けた方々が多くいらっしゃった事は見過ごせません。愛好家さんたちから伺った話は、とても、知らないフリができるものではありませんでした。
「大金を投じ、長い年月をかけてそろえた白西平の名花がやっと自分の棚で花を見るメドがたったころ、人工交配という裏ワザを使って、同レベル以上の類似品種を安く大量にばらまかれたのですから、ばかばかしさも度を越えています。」
白西平の一級品種を使った人工交配は、おもに少数の人が行ったことだと聞きます。はたして、彼らは、法律的に問題なくても、これをする事が正しいと思うのかなぁ? 「俺がやらなくても誰かがやっていた!」などと、うそぶくのでしょうか?
「品種解説&商品解説」の範囲を超えてきましたので、この辺でおいとまします。

※プラ寒蘭鉢5.0号植込み