登録上は高知県中村市国見(現四万十市)産と記されていますが、山播き説が有力なのを考えると産地なんて表記は、ちょっと違うかもしれません。ツヤのある黒紅花、一文字型に近い中輪。頑張れば中大輪サイズまでもっていけそうです。
「黒紅花」といっても紅の要素が少ないので、イメージ的に「黒花」とした方がしっくりきます。
数年前、博多スターレーンの寒蘭展に出品され、総合優勝に輝いた無銘の「黒紅花」が、実は〈黒椿〉であったことは一部の人しか知らない話です。
当時、高価で業界イチ押しだった〈土佐大黒〉〈黒酔〉が〈黒椿〉に圧倒されたことを隠すために、銘を伏せなければならなかったと考えると、理屈に合うのではないでしょうか。
これは、四万十市国見由来の「黒紅花」の中で〈黒椿〉が最もコストパフォーマンスが高く、実力的にも優れている、といった見方を裏付けるエピソードの一つです。
状態の良い4条立の株を載せました。大きめの中苗から育てて、今年は成木4枚葉を展開させています。
※プラ寒蘭鉢5.0号植込み
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