命名登録:平成8年 徳島寒蘭会(173号)
徳島県海部郡宍喰町(現海陽町)の産。青々としては珍しい肉厚の花弁が特徴的。展示会でも力を発揮できる品種です。中大輪サイズで花姿は一文字〜正三角咲の中ほど。花茎は葉上を抜き花間も広くとりますが、子房が太く硬いので、蕾の時期から花配りを手伝ってあげてください。
明るい柔らかな色調の緑色花弁からは濃緑花とは持ち味の異なった魅力が感じられます。
〈和〉には以前から奇妙な噂があって「この品種だけ、葉を虫にかじられる!」というのです。オカルト的な話と思えば、そうではなくて、 実にこの品種、新芽の段階で葉が癒着しやすい性質を持っています。癒着した部分が剥がれたときにできた葉傷こそ「虫の食害!」の正体でした。
この奇妙な特徴は株のコンディションや作柄の良し悪しは、あまり関係ないのかもしれません。
葉姿が荒れ気味な3条相当の中成木株を載せました。品種特有の「虫の食害」に見られがちな傷はあまり目立ちませんが、成長段階で早く処置をすれば防ぐことができる、開かずに畳んだままの葉が2枚。これが大きく見た目を損ねています。
健康状態に問題はなく、今年の新葉はきれいです。
※プラ寒蘭鉢5.0号植込み
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