2004年4月の暮らし

4月29日(木)晴れ 

とてもいい天気! ナニワイバラの白い花が、緑に映えてきれいだ。

先日の手仕事展でも、「何という名のバラですか?」とよく話題にのぼった。

来年はもっと増やそうと思っている。バラは挿し木で簡単に増やせる。

春菊の花も咲きそろった。これも手仕事展の時、名前を聞かれて「春菊」と答えると驚かれた。

あまり花は見ないのだろうか。とてもいい染めの材料なんだけど・・・

ポレポレが挿し木したエンジュの木も、シルバーの芽をふいた。

学習机の配達先からもらって帰った庭桜も、すっかり根をおろしたみたいだ。よかったー、記念になる。

この時期はまた、スモークツリーの葉が赤く目立つ。大好きな木で、庭に2本植えている。

ちっとも大きくならないのは、ジューンベリー。いったい何年待てば、実をジャムにできるのだろうか?

skiku126.jpg これは春菊の花。ダイヤーズカモミールと間違えた人もいたけど・・・

4月25日(日)晴れ 農家民宿

今回初めて村に来てくださった方の中に、農家民宿のオーナーさんの奥さまがいた。

雰囲気のあるステキな方で、なんだか初対面ということを忘れるくらい、盛り上がっておしゃべりした。

民宿のお客さまに、いろいろな体験をしてもらっているのだそうだ。

農業、林業、しばもちや豆腐、コンニャク作りなど・・・ポレポレが習いたがっていたわらぞうり作りなんかもあるみたい。

草木染めもぜひ習得したいとおっしゃるので、それは私がお教えしますと偉そうにお約束した。

「応援したい」と、これまた偉そうだが心からそう思ったし、草木染めの楽しみを大勢の人にひろげられたら、私もうれしい。

それに、グリーンクラフトツーリズムを私たちも目指している。

いろいろ教えていただくことも多いと思う。出会いに感謝!

4月24日(土)晴れ 手仕事展

緑の風が里山を吹き渡り、さわやかな初夏のお天気になった。

最高の「展示会日和」だったと言える。

みなさんが「気持ちいい!」を連発。中にはベランダでお弁当を食べて帰られた人もいた。

来てくださる人波によって、ゆっくりおしゃべりできる人もいれば、バタバタしている中で帰られてしまった人もいるだろう。

とても申し訳なくて、心残り。ポレポレが「三者面談みたいに、何時に来てくださいというふうにする?」と冗談で提案する。

今日はうれしいことがたくさんあったが、少しでもお役に立てたかなと思ったのは、病院通いでふさぎ込んでいたという人。

初対面だったけど、とても真面目な繊細な方に見えた。

繊細な人ほど生きにくい社会かもしれない。しわ寄せを全部かぶってしまうからだ。そう、痛々しいほどに・・・

初めて来てくださったその方が、帰りの車の中で「本当に楽しかった〜」と喜んでいらしたそうだ。

電話での問い合わせも何件があった。高知市から来てくださる男性が、一番遠くからだった。

どうかお気をつけておいでください。明日も今日のようないい天気になりますように・・・。

niwa290.jpg 庭を眺めながらベランダでお茶を・・・

4月22日(木)晴れ お弁当と給食

先日、コシヒカリの田植えが終わったと思ったら、明日はもう農林22号や古代米の種まきなのだそうだ。

お手伝いは何もできず、せっせとお弁当だけは心を込めて作っている。

去年まで私はずーと自分のお弁当を作ったが、4月から給食になった。

代わりにポレポレはお弁当持参で出かける。自分のお弁当より、やっぱり人のお弁当を作るほうが楽しい。

給食はおいしいのだが、すごく量があって太りそう。どうしても捨てることができない。

生産的な暮らしになってから、食べ物を粗末にすることにすごく抵抗がある。

給食センターの人に聞いたら、残飯はすべて堆肥にしているそうだ。

今度その堆肥を畑に使ってみたいなと思い、申し込んである。

4月18日(日)晴れ 再会

日曜参観日。夜、PTAの歓送迎会があった。

先日、「お父さんが先生の教え子で・・・」と言っていた男子生徒の両親が、そろって宴席で声をかけてくれた。

なつかしいT君! 顔は全然変わらないが、立派な仕事に就き、家庭を持ち、三児の父となっていた。

奥様とは初対面だったが、開口一番「おうわさはいつも聞いていました。主人の人生を一変させたキリコ先生ですね」とおっしゃったのにはびっくりした。

T君は照れ笑いしながら、「先生、ええ子やったって、言うちょってね」。

奥様はなおも周囲の保護者に説明する。「主人はいじめられっ子で、学校に行くのが嫌で、いわゆる負の人生だったのが、キリコ先生が担任になってからガラッと180度変わって、楽しくてたまらなくなったそうで・・・。だから、今の主人があるのは、この先生のおかげやね」。

周囲の保護者が、ふーーんと感心した目を私に向けるので、今度は私が照れてウーロン茶をあわてて飲んだ。

そんなふうにT君の記憶に残っているとは、今回再会するまで夢にも思わなかった。

「先生、家のあの柿の木は今もありますよ。鯉はもう死んだけどね」とT君がさらに話しかけてきたけど、私はちんぷんかんぷん。

想像するに、担任していた時、家庭訪問に行って、T君は柿の木や池の鯉を見せてくれたんだろう。

T君の中に、鯉を見て喜ぶ若いキリコ先生の思い出がよみがえっているのかも知れないが、私はもうすっかり忘れているとも言えず・・・「あー、そう!」と相づちを打つ自分が嫌になった。

その席で、さらにもう一人私を驚かせたのが、昼間のPTA総会で挨拶をされたPTA会長だった。

「キリコ先生、覚えてくれてますか?」と杯を持って私の横に座った。

「えーーー???」頭の中で必死で記憶をたどるが、ごめんなさい、今度は想像すらできない。知らないおじさんだった。

「昔、幡多文化センターで、市町村代表の弁論大会があったでしょう?」 あ、それは思い出した。

「あの時僕が2位で、キリコ先生が1位だったのですよ。僕はもうゾウクソがワリイテ・・・・」

ゾウクソがワルイは、幡多弁でくやしいという意味なのだが、会長さんはよほどくやしかったらしく、「自分が何をしゃべったかは忘れてしまったが、山本キリコの名前だけはしっかりインプットされてしまった」とおっしゃるのだ。

それが言葉だけではない証拠に、その後私が高知新聞に毎週イラストを描いていたことや、時々新聞に載っていた記事など、私以上に覚えていて私を驚かせた。

もし今回再会しなければ、私はT君の思いも会長さんのくやしさも・・・まったく全然知らずにいた。

こんなことは氷山の一角なんだろうな〜。考えるとちょっと恐い気もする。

4月17日(土)晴れ コシヒカリの田植え

もう夏だ。

半袖でも汗ばみ、セミも鳴いている。

早期コシヒカリの田植えをした。ポレポレが昨日だいたい植えていたので、今日は午前中二人で傍植えなどした。

陽射しは暑いが、さわやかな風が吹き、水の中が気持ちいい。カエルの合唱もにぎやかだ。

今年は異常にイトトンボが多く、きれいな瑠璃色のトンボが稲に止まっている。

12時のチャイムでいったん終え、昼食後は「陽の家」へ差し入れを届けに行って来た。

今日は数学の先生の初めての授業なのだ。

3時までの暑い盛りは、「ガラス展」を観たり、買い物をしたりして過ごし、夕方また田んぼに入って植えた。

プロの農家の人にはあきれられそうだが、夏はこのパターンが野外で働きやすい。

それでも手の甲が真っ黒に日焼けし、体がボキボキ痛い。体がなまってるなぁ。鍛えなきゃ。

itotonbo145.jpg

4月14日(水)雨  手仕事展

土佐清水市の手仕事展に引き続いて・・・になるが、春の手仕事展を自宅で行うことにした。

「はーと・らいふ村に行きたい」という声をよくうかがうので、庭のきれいな春と秋の2回を自宅ギャラリーでと決めた。

春はストロベリーキャンドルの開花に合わせ、秋はパイナップルセージの花盛りに合わせて開催するつもり。

藤の花は今が見ごろなので、24日には少し過ぎるかもしれない。モッコウバラのアーチが、いい感じになるだろう。

ペリウィンクル、コリアンダーも咲いているし、野菜の花も大根・春菊・キャベツ・からし菜・・・が花盛りだ。

かりんのピンクの花は、桃の花とはまた違った可憐な色合いがなんともいえないほどだ。

新しい勤務と田植えと3ついっしょで忙しくなるが、GWも近いのでがんばろう。

お客様がすぐ参加者になれるのが、うちの手仕事展のいいところ。作る人も見る人も喜んでもらえるよう、お手伝いしたい。

今回も新しいお客様が大勢増えそうな予感。

mugiho046.jpg 庭の麦の穂もこんなに出揃いました!

4月12日(月)晴れ 特技

今日、すべてのクラスで授業をした。と言っても自己紹介だけど。

私はやっぱり子どもが好き! 授業が好き! とっても楽しかった。

初めて会うわけだが、もう50人くらいの名前を覚えた。これは私の特技の一つ。

廊下で会っても、帰りがけにも、「○○君」「××さん」と呼びかける。それが早く覚えるコツであり、生徒と親しくなるコツ。

まいったのは、一番最初に授業に行ったクラスで、もう「僕のお父さんが先生に習ったそうです!」あわわ・・・。

「先生と出会って明るくなったって、お父さんが言っていました」・・・うるうる、もう感激です。

やっぱりこの仕事は、そういう感動がエネルギーですね。

子どもたちはみんな純粋でまっすぐでかわいい。嫌だと思った子は一人もいない。

生徒もまた、私に興味を持ち、好意を持ってくれたと思う。

放課後、3年生の男子が言ってきた。「先生、R君が先生のことを好きになったそうです」「私も、と言っておいて」(笑)

こういうことは時代が変わっても変わらない、中学生の姿なのね。しかし、この歳になってまだからかわれるとは!?

higasitani138.jpg 夢のような景色。ここが古代米の棚田です。ポレポレは田おこし開始。

4月11日(日)晴れ  たけのこ

モクとハナの散歩に行っていたポレポレが、たけのこを見つけて掘ってきた。

小さなおいしそうなたけのこ4本。さっそく皮をはいだら、さらに小さくなってしまった。

ゆでて水にさらしてアクを抜き、鶏肉やうちの椎茸と煮て食べた。季節の味だ。

庭のかりんに、ピンクの花がいっぱいついた。コリアンダーとストロベリーキャンドルも咲き出した。

花が終わらないうちに、春の「手仕事展」をやろう。いや、その前に田植えだ。

春はなにかと忙しい。

takenoko332.jpg

4月10日(土)晴れ  「ひざし」の新しい先生

今年ボランティアをしてくださるお二人の先生と、「ひざし」で会った。

この春、高校を退職された先生だとお聞きしていた。初対面なので「アマンド」のケーキを買って行った。

一目会って、「あ〜〜!!」。私の高校時代の数学の先生だったのだ。

私の高校は1学年8クラスあった。400名の生徒を教えていたわけだから、きっと覚えてはいらっしゃらないだろうと思っていたら、先生はちゃんと覚えていてくださった!

その上、この3月まで、私の以前の教え子たちを担当してくださっていたとか。みんなの進路などの話で、すっかり盛り上がった。

K先生には中高生の数学をお世話になる。

もう一人、小学生がお世話になるS先生は、なんと以前「キューポラのある街」という演劇でご一緒した方だった。

そして、展示会で我が家にも来てくださっていたとか。話すほどにつながりが分かって、初対面のつもりがすっかりリラックス。

英語は若いH先生、社会は宿毛市からK先生、これで全員そろって16年度の授業がスタートする。

パソコンも入り、電灯も新しくなり、図書コーナーも出来た。

みんなの力で、少しずつ少しずつ居心地のいい「陽ざしの家」になっていく。

4月9日(金)晴れ  顔施

新しい中学校で私は、全校生徒に自己紹介はしたものの、まだ授業はしていない。

早く生徒と授業がしたくて、来週が待ち遠しい。

障害児学級の授業から帰った先生が、「新しく来た先生8名の名前を書かせたら、書けない先生もいたのに、なぜかキリコ先生だけフルネームで書きました。山本キリコと全部。それもキリコを漢字で書くとがんばっていたんだけど・・・」とおっしゃった。

私はまだその子を知らない。授業にも行く予定がない。でも、その話を聞いて会いたくなって、放課後会いに行って来た。

「○○君、山本でーす!」と声をかけたら、いい顔でにっこりしてくれたのが、心癒される喜びだった。

瀬戸内寂聴さんから「顔施」という言葉を聞いたことがある。

お金もかからず人を喜ばせるのは、いい表情で接することだ・・・というような意味だったと思う。

顔にも言動にもその人柄は出るから、会ってうれしくなるような表情でいたい。

冷たくさげすんだ表情に出会うと、すぐに心がヒヤリと凍り付く。瞬間にこちらも固まった表情になっているのだろう。

心は伝染する。

昨日のY医師に続いて、今日はもう二人、校外の人だがとても信頼できる人と話ができた。

N先生とM課長、二人には心から感謝している。あたたかい人に会うと、心に勇気が湧いてくるのがわかる。

renge099.jpg 田んぼにレンゲ草が咲いている

4月8日(木)晴れ  Y先生の講演会

麦の穂が出そろった。

二人ともなんだか落ち着かない日々で、仕事から帰るとぐったり疲れている。

きっと新しい環境に身をおいた子どもたちも、みんな緊張の毎日だろうな〜。

今夜は久しぶりにY医師のお話を聞いた。いつも本当におもしろくて、ついつい引き込まれてしまう。

自分や家族を笑いのネタにして、人の心を解きほぐし、ほっと安心させてくれるのがありがたい。

Y医師の診察日には、患者さんが60名もおしかけるのだそうだ。

看護婦さんにも、抜群の人気があるのもうなづける。本当に優しくて、感じがよくて、いばらないお医者さんだ。

中村市に来てまる5年だそうだが、中村が好きになったのでもっと居たいとおっしゃる。

私はまだ患者ではないが、ずーとずーと居てほしいと思う。

いまだに残念なのは、ご夫妻で1度だけうちに来てくださったのに、私が東京出張でポレポレだけだったこと。

またお二人で来てくださらないかな〜?

sansai057.jpg 山菜採りの時期です

4月4日(日)晴れ ばあばちゃんのレシピ

宿毛市でお世話になった市民の方が見えた。初めてなので道に迷って、やっと着いたと笑った。

お料理上手な彼女は、主婦大先輩で65歳。私は尊敬をこめて「ばあばちゃん」と呼んでいる。

お土産は特製ドレッシング! 待ってました!

目の前で指にとって、少しなめてみる。「おいしい! ばあばちゃん、こんなドレッシングは初めてよ。教えて〜」とねだったが、

「ふふふ、企業秘密」とのこと。

その代わり「忙しいキリコちゃん向き」という「3分間料理レシピ」を3種類教えてくれた。

3つともほんとに簡単。その中で「アサリのブィヤーベース風」をご紹介しよう。材料は2人分。

@フライパンを熱し、洗ったアサリ(1パック)を入れる。

Aアサリのふたが開いてきたら、もやし(1袋)を入れる。

B真ん中にバター大匙1を入れ、塩コショーで味をととのえ、もやしが透明になってきたらハーブをきざんでパラパラとふる。

Cおつゆはのばして、スープにする。

sakura037.jpg 桜と新緑、どっちも今ほんとうにきれい

4月3日(土)晴れ  「はーと・らいふ村」の野鳥たち

「陽の家」の生徒や親たちと、お花見をしてきた。

枝垂桜が満開。あらためて全員合格を喜び合い、春から別々の高校に進む生徒たちも、楽しそうにおしゃべりの花を咲かせていた。

大正町から参加したお母さんも、すぐに溶け込んでいろいろ話ができてよかった。

「特別なイベントでなくてもいい。ただ来れる場所があって、世間話でいいからできる友達がほしい」と語っていたのが心に残った。

会員がまた増えていて、60名近くなったのではないだろうか。ほんとうにありがたいと思う。

神戸の母からは、さっそく「H16.3.28〜29日に見た野鳥」というFAXが届いた。

見てびっくり、こんなにいたの!? 

アオゲラ・フクロウ・カワセミ・アカハラ・ツグミ・モズ・ビンズイ・コジュケイ・コゲラ・シロハラ・キセキレイ・ウグイス・メジロ・アオサギ・コサギ・ヤマガラ・シジュウカラ・キジ・ヒレンジャク・キジバト・・・

先日、ポレポレがさもあきれたように、神戸の両親に言っていたもんだ。

「キリコさんなんか、あっ鶴だ! と叫ぶので見たら、なんやーアオサギなんだぜ。」

ふん、鶴に似ていたのよねー。

4月1日(水)晴れ  ポレポレ、先生に

今日から二人そろって新しい職場に出勤。海に近いという点も共通している。

ポレポレは町内の授産施設で、週3日間木工の指導をすることになった。

お話をいただいた時、最初は迷っていた様子だったが、「きっといろいろプラスになるわ」と勧めた。

以前アフリカでセカンダリースクールの生物の授業をしている写真を見たのが、とても印象に残っている。

木工教室の講師も何度かしてもらったが、落ち着いて丁寧に教えていくタイプで、先生に向いていると思っていた。

生徒数55名と小規模だが、私が以前教えたナナちゃんがその中にいた!

「すがお白書」をお読みいただいた方は、一番最初に登場した「石のような女の子」のナナちゃんを思い出していただけるだろうか。

あのナナちゃんが「キリコ先生は元気だろうか?」と、いろいろ尋ねてきたそうだ。奇遇だ。

TTの先生とも同年代で気が合いそうとか、早速土曜日にはうちに訪ねて来るらしい。

niwasakura063.jpg 家具の配達先の庭桜が満開(小さな苗をいただいてきた)

2004年5月の暮らし

5月31日(月)曇り  曼荼羅屋

企業の主催する教室の、講師打ち合わせ会があった。

私は「ハーブ染め教室」だが、「フランス料理」「イタリア料理」「中華料理」「和食」「お菓子」「押し花」「蔓細工」「パッチワーク」「フラワーアレンジメント」「写真」・・・まだまだあったと思う。

とにかく講師陣と、企業の所長さんはじめスタッフのみなさんとの懇談会があった。

そのあと「曼荼羅屋」で懇親会。よく行く中華料理屋さんだが、とても雰囲気のいいおしゃれな店で、もちろんとってもおいしい!

特に今夜は、それぞれ料理の師匠で店のオーナーさんたちが集まっているのだから、一段と力を入れて用意してくださっていた。

最初に出たのは、一口大の六種類のオードブル。器もぴったりで、眺めていたくなるほどかわいい。(写真がそう)

お酒は中国酒で、金木犀のサワーをいただいた。

次つぎとおいしい料理が出る。アマダイの蒸しもの、イカのカルパッチョ、貝柱のソース添え、なんとか豆の・・・、うーん酔っ払って全部覚えていないのが悔しい。

おいしい料理とお酒、楽しいメンバーとの語らい・・・ああ幸せ!!

こんな楽しみを、これからもいろいろ企画してやっていこうと思う。ごちそうさまでした!

mandara346.jpg

5月30日(日)曇りのち雨  梅とビワ

梅雨の合い間に、梅とビワを採ってきた。

両方とも、200メートルほど離れた実家の近くにある。

梅はたくさん実をつけて、日の当たる枝先は紅がさしてきれいだった。

全部採ったわけではないが、持って行った4つの袋いっぱいになったのであきらめた。

こういう時は性格が出る。ポレポレはいつも少し採ったら、「もういいでしょう」と言う。私は「まだまだ」と採り続ける。

例えばアジなど釣りに行ってもそうで、「今夜食べられる分だけ釣ったら帰ろう」と言うのはポレポレ。

私は「まだまだ釣れるやん。たくさん釣って、ご近所にもあげようよ」。意地汚いのか欲張りなのか。

未練を残しつつ帰って、量ってみたら14`もあった。梅干、梅酒、梅シロップ・・・いっぱい作れそう。

ビワはあと2日後くらいがいいと思ったが、ついでに熟れた房だけ採ってきた。

初物なので仏壇に祭り、おいしそうな実を選んで食べた。やはりまだ少し早かったかな。

コンポートにして、タルトに入れて焼こうと思う。

絵にも描こう。ビワは葉も枝も実も、すべてが役立つ優れもの。難病を治す家庭療法としても有名だ。

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5月29日(土)雨 

ついに梅雨入りした。梅をとろうと思っていたのに、残念。

今日は朝から染め教室の講師で行っていて、2時過ぎに帰ってきた。

帰りに蕗と破竹をもらって、ゆがいて煮付けて食べた。季節の味、おいしい。

蕗は体によく、昔は「毒取り」といって子どもに必ず飲ませたそうだ。

今でも野良仕事で切り傷などすると、蕗の葉をもんで止血する。佃煮にしても、きゃらぶきでもおいしい。

でも、アクが強いから、皮をむいた指先は真っ黒。明日、休日でよかった。この手じゃあ、人前に出にくい。

5月26日(水)晴れ 鰹まるごと

4月に出会ったばかりの友達のご主人は、ポレポレのあこがれの漁師さん。

今日釣ったばかりの、大きな鰹を丸ごといただいた。

家に帰って、さっそく写真にとってもらおうと片手で持ち上げたのはいいが、「重いよーー」。

ご本人が「昼に釣ったばかりやけん」とにっこりして手に持っていた姿は、やっぱりとっても板についてかっこよかったなー。

ポレポレが刺身にしてくれて、アラを私がお汁に炊いた。

目に青葉 山ホトトギス 初鰹。 庭からニンニクを抜いてきて、スライスして添え、ゆずポンでパクパク。

魚にはちょっとうるさいポレポレも、「身が違うなー」と新鮮なごちそうに満足げ。

デザートの苺は、仕事の帰り道に道端の良心市で、1バック100円で買ってきた。

苺のビニールハウスの前で、傘をさして日除けにして苺を並べ、お金を入れる筒を置いてあった。

「安いなー、いいのかなー」と思いながら、ポレポレに話すと必ず言われる。

「じゃあ、余分にお金を入れればいいでしょ。」「・・・・」

katuo340.jpg ありがとう!!

5月25日(火)晴れ エコライフガーデン

昨日も今日も、初夏のさわやかな天気が続く。

庭はうっそうと草木が繁り、かずき大根やからし菜は種を収穫する時期だ。根元から切り、逆さにつるして保存する。

ブルーベリーもブラックベリーも、たくさん実をつけている。

初めてスモモもたくさんの実をつけた。9年目にしての収穫が楽しみ。まだ青いが、いつ熟れるだろう。

今私は、京都のエコライフガーデンの森孝之さんの本を、読み漁っている。

「このままでいいんですか」「想いを売る会社」「ブランドを創る」・・・どれもおもしろい。

ポレポレも今日は職場に持って行って、休み時間に読んでいたようだ。

帰るなり「おもしろい」と言ってきた。でしょ、でしょ。うれしくなって、話し込んだ。

短大学長のかたわら、私生活では1000坪の庭に木を植え、野菜を育て、半自給的生活をおくっている。

「ここは消費の喜びの場ではなく、創造の喜びの場なんです」「お金で買えるものなんて、たかがしれている」・・・

森さんの一言一言にうなづける。

3月にHPのリンクをお願いしたら、「できるだけ早く、実際見に来てください」とお返事をいただいた。

早く行こう行こうと想いはつのりながら、新しい職場の多忙にまぎれている。ほんとに近々お邪魔しよう。

5月22日(土)曇り 麦刈り

午前中、麦を刈った。例年より少し早い。

カマで少しずつ刈り、イソで束ねて、軒下に立てて乾燥している。

キジバトやスズメがよく食べに来ていたので、鳥の羽が麦についていた。

明日から、庭に来てもガッカリするかもしれないな。麦のあとには、サツマイモを植える予定。

スイカは順調に成長し、トマトは青い実がふくらんできた。

明日、田植えが終了する。梅もそろそろ収穫しなくては・・・。

mugi135.jpg 麦の穂

5月20日(木)雨 

めったに夢をみないで熟睡する私が、明け方に夢をみた。去年他界した母の夢だった。

なぜ母の夢をみたのだろう?

孫の力になりたいと思っているのではないだろうか?

はっと気がついた。今日は母の誕生日だったのだ。

母の好きなゼリーとバナナを祭って祈る。みんなのことを守ってくださいね。特にあの子のことを・・・。

昨日も今日も雨。台風2号が北上しているらしい。

そんな中で農林22号と古代米の田植えが始まった。激しい雨にもめげず、元気に育ちますように。

祈ることの多い日々だ。

taue169.jpg 田植え

5月17日(月)晴れ 高校

悩みを抱えた子どもの保護者に付き添って、小中学校には行ったことがあったが、高校に行くのは初めてだった。

担任は初めてだという若い女先生と、学年主任の男先生にお会いしてきたが、お二人とも本当にあたたかい先生で、「こんなに子どものことを考えてくださるのか」とうれしかった。

保護者も「先生に会って本当にほっとした。いい先生に担任していただいて、幸せだ。」と元気になっていた。

親が元気なのが子どもには一番だ。親を安心させてくれた、高校の先生に感謝したい。

逆のケースもたくさん見てきた。

「もう二度と学校なんて行きたくない。子どもが行きたくない気持ちが、本当によく分かる」と言う親もいた。

先生の対応で、親も子も勇気づけられたり、ぺしゃんこに落ち込んだり・・・その差は大きい。

それにしても、巷のうわさなんてまったくあてにならない。

進学校は勉強一本、ついて行けない生徒は切り捨てられる・・・なんて、まったく間違いだ。

中学校よりもはるかに、きめ細かく生徒に寄り添ってくれる高校もある。声を大にして言いたい。

5月16日(日)雨 ビックリグミ

ビックリグミが赤く熟れた。

こちらではグミのことを、グイメと呼ぶ。小さいのはシャシャブ。ビックリグミは、名前の通り実が大きい。

お米のお客さんに差し上げたら、「プチトマト、ありがとう!」とお礼を言われた。

セントジョーンズワート、昼咲き月見草、チコリ、時計草、ハニーサックル・・・みんな花が咲いた。

ハニーサックルは香りがよくて、花酒に向いている。

テレビで花の生春巻きをやっていたが、とてもおいしそうだった。グッドアイデア! 今度作ってみようっと。

gumi137.jpg 

5月14日(金)晴れ 「こんばんは」

夜7時から、ドギュメンタリー映画「こんばんは」を見に行った。

新聞で読んで、見たいと思っていた映画だった。

現在全国に35あるといわれる公立の「夜間中学」。高知県には無い。

そのほかに「自主夜間中学」が、全国におよそ20校あるそうだ。

ここには「ほんとうに学びたくて学ぶ」人たちが集まって、楽しく勉強している。

不登校の中学生も、ひいおじいちゃんくらいの年齢差の同級生と、机を並べている。

狭い教室、ボロボロの机、でもみんな輝くような笑顔だ。

不登校のしんちゃんが、最初は口もきかず、給食も食べず、運動会にも出なかったのが、だんだんと笑顔が増え、言葉も出て、運動会で元気に1500を走り抜けた姿が印象的だった。

帰りの車中でポレポレが、「枯れ木が生き返ったような感じだった・・・」と表現した。

本来しんちゃんが持っていた「生きる力」が、ようやく息をふきかえしたのだ。

国語教師見城先生は、学校が「楽しくて・・・」つい駆け足で登校すると言う。

私が「楽しい」と言うと、ポレポレが「そんな先生は珍しい」とよく言うが、本来は学ぶことも教えることも、「授業は楽しい時間」のはずなのだ。

楽しいことは強い。91歳の生徒も、片道2時間かけて通学している70歳台の生徒もいた。

みんなみんな、自分の人生を大切に生きていこうとする姿が美しかった。

6月19日(土)、中村市中央公民館で「こんばんは」が上映される。おすすめです。

muginiwa136.jpg 庭の麦。左手は野葡萄のパーゴラ。アーチ横                           の赤い木は、スモークツリーです。

5月13日(木)雨 

昨夜、HPの更新も終わってから、ポレポレが「あっ、蛍!」と叫んだ。

お尻をピカピカさせて、確かに蛍だ。今年初めて見た。

これからたくさん飛ぶだろうな〜。

蛍を捕って、ねぎの中に入れて、母に見せた日々が懐かしい。

5月12日(水)晴れ 選択授業

水曜日は1時間目と5時間目に、3年生の選択授業がある。

1時間目は違った教科の選択で、5時間目は同じ教科の中で3人の教師を選択するコース制だ。

私1人だけ、その両方の選択授業に関わっている。だから、どっちもキリコを選んだ生徒は、2時間一緒になる子も少なくない。

違った教科の選択のほうは、私は「美術」を担当している。

染めと陶芸と木工と篆刻をメニューに組んだ。まずは無難に染めから入る。

今日は玉葱の皮と春菊とスペアミントの3種類。輪ゴムで絞りを入れるので、開いた時の「わー」という歓声が楽しい。

今日の最高傑作は、サッカー部のK君だった。みんなが文句なしに「いいー!」と叫んだし、「うーん、芸術的!」と私も感嘆した。

その時すまして本人いわく、「やはりオレの計算した通りや」!?

きっと生まれて初めて染めなんてやったと思うのに、何が「計算通り」よねー。

スタートしてから気づいても遅いのだが、陶芸の窯が学校に無かった。

個人で買おうかとポレポレと話して、出入りの業者さんにカタログを届けてもらった。

「最低30万からありますよ。でも、キリコ先生が使うなら、100万くらいはかけてほしいですね」「・・・・。」

「あの、レンガで造ったらどのくらいです?」とひらめいて尋ねると、「200万はかかるでしょうね」「!?」

ここでも「作ったほうが高くつく」なのか。まいった。

saga183.jpg こちらは玉葱グループ。一番濃く染まりました!

5月11日(月)晴れ ビワで染める

麦が黄色く色づいてきた。刈り取りの時期が近づいている。

エゴノキにも白い花が咲き、カモミールもようやく花開いた。

同僚がビワを持ってきてくれてごちそうになったが、うちのはまだまだだ。

海岸沿いと山の中では、熟す時期がだいぶ差がある。

葉と枝を取って来て、シルクストールを染めると濃いオレンジ色になった。

この前「なかなか濃い色が出ない」と、作品をたくさん見せてくださった方がいたので、夜電話して「もしかしたら木によるかもしれませんね」とお話した。

草木染めはいまだによく分からないことも多い。

計算通りに行かないところが、おもしろくもあり不思議でもある。

だから情報はお互いにいろいろ交換して、楽しみたい。

明日は1時間目の「選択美術」で、草木染めの授業がある。

朝早く起きて、スペアミントと春菊をばっさり刈って持っていく予定だ。

男子も女子も、エプロンや手袋を忘れないで登校するかな〜?

5月9日(日)雨  憩庵

「ひざしの会」の子どもや親たちと、気功のY先生を訪ねた。

お母さんの一人が体調が悪く、昨日から起き上がれない状態だとか。

ちょっと無理かなぁと思ったが、ぜひこの機会に連れて行きたくて、無理やり車に乗せて行った。

行くなり先生が、「すぐに楽にしてあげましょう」と治療してくださった。

その間にもほかのメンバーにも気をつかい、いろいろなことを話しかけてくださる。

緊張気味で訪問した子どもたちも、先生のにこやかな笑顔と「憩庵」の雰囲気に包まれて、すぐにニコニコ。

治療が終わると、大きなケヤキの火鉢を取り囲んで、先生自ら炭火で魚を焼いてごちそうしてくださると言う。

死にそうな声だったお母さんも、あれあれ不思議、いつの間にか魚をパクパク。

「おいしい! 私、昨日から起き上がれなくて、何も食べてなかったんです」

魚は嫌いで食べたことがなかったという子どもも、「おいしい、おいしい」と食べ続けた。

いつもそうだけど、Y先生を訪問すると、マジックを見せてもらっている感じだ。

今日、先生は「自分でコントロールする方法」をテーマに話してくださった。

先生からたくさんのことを学んでも、実行するか否かは一人一人だ。

「そりゃあそうだけど・・・でも・・・」と言う人は、じつはやらない人と言う。

ボタンは2つ。「やる」を押すか「やらない」を押すか?

子どもたちはどう感じただろう? 次回を楽しみに憩庵をあとにした。

hibati181.jpg 大きな火鉢でおいしい魚の香りが・・・

5月5日(水)晴れ 庭仕事

この季節は庭の仕事がいくらでもある。

毎日やってもきりがないくらいあるのに、私は休みの日にまとめてやるので大忙しだ。

今日はとうもろこしの移植をして、どくだみを切って束ねて干した。

どくだみはいいお茶になる。花の咲く頃に採集するのがいいらしい。

庭は今、みかんの花がいい香りを放っている。ブンタンの白い花が、無数についているのだ。

ミモザもこぼれ種で、これまた無数に芽を出していて驚嘆した。鉢に移さなくては・・・

明日職場に持って行くために、春車菊の苗を何十本かビニールポットに移した。

いっぱい芽が出ているので、欲しい人がいたらいくらでも差し上げたい。

mikanhana129.jpg 白い花が分かるかな?

5月4日(火)雨  ピカソの蒼

高知市の県立美術館へ「ピカソ展」を見に行った。

昨日は3500人入館だったとか、今日も負けず劣らずの入館者でごったがえしていた。

私は一番好きな画家はパスキンだが、ピカソも好きな作品がある。

ポレポレは小学生の時アメリカで見た「ゲルニカ」に感動し、大人になって再度スペインへ「ゲルニカ」に会いにいっている。

それもマドリッドの美術館にあると思い込んで、休館日を含めて3日も待って入館したのにそこにはあらず。

教えられてバルセロナまでまた行ったという、ドジな思い出もあるらしい。

今回はピカソの最後の妻、ジャクリーヌの個人所有の作品ばかりで、日本初公開ということで話題になっている。

今日改めてピカソの作品を見て、「蒼がきれいだ」という印象をもった。

青ではなく蒼と呼びたい落ち着いたブルーグレーで、ホワイトとの相性が抜群だった。

一番惹かれたのは「椅子に座る裸婦」で、パッと見て「これいいわぁ!」と声をあげたら、ポレポレも即座に「うーん、これはいいねぇ」とうなづいた。

こういうのは理屈ではなく感じ取るものなので、同じものを見て感動できるのはうれしい。

GWで子どもの姿もけっこう多かった。大人たちが神妙に眺めているそばで、「へんなのばっかし」と正直につぶやいている子どもの声がおもしろかった。

ポレポレは「子ども心にもゲルニカに衝撃を受けた。小さい時にホンモノを見ることができて幸せだった」と言っていたが、今回の作品の中にも子どもの心に何かを残すものがあるだろう。

芸術ばかりでなく、食べ物も家も・・・ホンモノは人を豊かに育てる。

5月3日(月)雨  夢から始まる

一日中、雨。

そんな中を京都から学生さんのカップルが訪ねて来た。ホームページを見たのだと言う。

よくここだと分かったなあと驚いた。

ちょうど二人とも居たのでよかったが、居なかったら申し訳ないところだった。

男性が木工を、女性が染色を学んでいるとか。

将来は滋賀県のある町に住んで、役場に勤め、畑で野菜など育てながら、物づくりをしたいそうだ。

「まだまだ夢ですけどね〜」と言うので、「夢からスタートですよね」と答えた。

二人を見送ってからポレポレが、「夢いっぱいで、一番楽しい時やね」とつぶやいた。

「あんなに若いのに、もうしっかりとライフスタイルを描いているなんて、すごいよね」と二人で感心した。

何かきっかけがあったのだろうか? 私たちはあの年頃は何やっていたんだろう? もっとのほほんとしていた気がする。

お名前もうかがわずにお別れしたが、よかったら掲示板に書き込みなどしてくださいね。

お二人の夢が叶うよう、高知の田舎から祈っています。

5月2日(日)曇り  甘い糠

今日、高知新聞の「視点」欄に、作家の坂東真砂子さんが「スローフード」について書いていた。

高知県出身で現在はタヒチに暮らす彼女は、野菜を育て、魚を捕り、野生の鶏を料理して食べているそうだ。

坂東さんいわく、「スローフードとは、土地のものをじっくりと育て、それを使って手間と心をかけて料理をして、味わうということだ」。

私には耳が痛い。野菜はほったらかしでいつの間にか大きくなり、料理はなるべく時間をかけない。

メニューはその時庭にあるものを中心にした「ばっかり食」だ。今は新玉葱ばっかり。

昨日、玄米のお客さまが見えて、とてもいいお話を聞いた。

「糠があったら一緒に送ってください」ということで、ポレポレが玄米と一緒に送ったらしい。

糠をガーゼで包んでお風呂で使ったりするのだそうだが、「なめてみたらとても甘かったんです」とおっしゃる。

考えてみれば、糠にはお米の栄養がいっぱい含まれている。

「糠の入ったお菓子とか焼けそうですね〜」と盛り上がって楽しかった。

明日は雨になりそうだ。夕方、地這いきゅうりの種を蒔き、パイナップルセージを移植した。

tama127.jpg 玉葱もそろそろ収穫。

5月1日(土)晴れ 連休初日

午前中11時までは病院の診察をやっていると聞き、父を小笠原先生のところへ連れて行った。

母の主治医で長い間往診に来てくださった先生で、私たちは「ホームドクター」として信頼している。

「不信の時代」と呼びたい現代、心から信頼できるお医者さまの存在は、本当にありがたい。

四万十川のほとりで町医者として生きる先生の病院には、相変わらず患者さんがいっぱいだった。

「新聞見ましたよ。手仕事展やってたんですねー」と、気さくに声をかけてくださるのもうれしい。

先生の義兄にあたる大野誠氏の著書、「ご両親さま」をいただいて帰宅。

午後からは学習机の注文のお客さまと、そのお友達のご一家6名の来訪。

ポレポレが制作の打ち合わせをしている間、私は小さなお客さまのお相手だ。

「探検しようか?」と庭を歩き回る。ヘビの抜け殻があってびびっていたので、「まむし酒」を見せてあげた。

ちょっと強烈すぎたかなぁ? 久々に戸棚から取り出した「まむし酒」は、熟成していい色になっていた。

7年たったら飲み頃だと言うが、う〜〜ん、誰が毒見をするんだろう?

夕方、砂浜美術館へ「Tシャツアート展」を見に行った。

ポレポレは撮影目的、モクとハナは思い切り駆け回るのが目的、私はブックフェアの本をもらうのが目的。

それぞれが目的を果たして帰ってきた。

2004年6月の暮らし

6月29日(火)晴れ 暑さも本番

ネムの木にピンクの花が咲いている。ほわっと柔らかい、優しい花だ。

同じように優しいピンクのネジバナも、道の辺に咲いている。アザミも同じ色だ。

庭のひまわりも咲いた。いよいよ夏の盛りを迎えるわけだ。

今日、職場でお昼を食べている時、みんなで「昔はこんなに暑くなかったのに・・・」とうなづきあった。

「30度を越える日なんてめったになかったのに」

「最近はすぐ30度以上になるね」

「やはり温暖化の影響なんでしょうね」

たくさんお水を飲み、汗を流し、帰宅したらシャワーでさっぱりする。

疲れたら夜も早めに眠る。朝は5時30分に起き、涼しい時間に充実のスタートを切る。

今年も夏バテしないように、自然体で元気に乗り切ろう。

nezibanani064.jpg ネジバナ(右)とアザミの花

6月27日(日)晴れ  かわいいお客さま

学習机を注文のお母さんと子どもさん2人が、打ち合わせに見えた。来年ピカピカの1年生になるTちゃんだ。

すごく伸び伸びしっかりした5歳の女の子で、感性も言葉も豊かなのに脱帽する。どんな小学生、中学生に成長していくか、楽しみな子だ。

来てくれるのは数回目だが、私たちはいつもお母さんの対応に感心して、帰ったあとも「あんなに柔らかく子どもと接するお母さん、いい子育てしてるねー」と話す。

お母さんデザインの机も機能的で斬新、誰もこれまで注文したことがなかった形だ。

それもきっちりデザイン画を描き、縮小したミニチュアを厚紙で作り、原寸大の型紙まで作っていた! もう立派な家具デザイナーだ。

さすがだと思ったのは、「作っている過程で、一度娘に見せてやってください」とおっしゃったこと。

ポレポレもすぐ意図を察して、にこにこ顔でいい段階で連絡することを約束していた。

作り手がどんなふうに心を込めて一つ一つ手作りしているか、学習机を使うTちゃんに見せておきたいのだと思う。

帰りがけにもお母さんが「ちゃんとよろしくお願いしますって、挨拶しなさい」とTちゃんに言うと、少し考えて自分の言葉で「かっこいい机を作ってください!」と元気に言った。

また負けたなあ、Tちゃんには。ポレポレおじさんも絶対責任持ってかっこいい机を作らなきゃあね。

Tちゃんの大切な机を作らせてもらえることは、ポレポレにとって心はずむ仕事に違いない。

おかげで蒸し暑い一日がなんだかさわやか気分だった。

rudobekia351.jpg 庭は今黄色い春車菊とルドベキアの季節です

6月26日(土)晴れのち雨  ポレポレ、がっくり

ポレポレが待ち望んでいたNHKからの結果通知が、今日来た。

「・・・だったらがっくりだな」と言っていた、努力賞に選ばれていた。

NHKは毎年、カレンダーに掲載する写真を公募している。

毎月1点と表紙の1点、合わせて13枚の写真が選ばれるわけだ。

その他に佳作の7点が、卓上カレンダーに使われる。

そして、カレンダーには使われなかったものの、最後まで残っていた10点ほどが努力賞。

今年の審査員は、浅井慎平さんだった。

「いいじゃないの、選ばれないよりずっとましよ。ものすごい応募作品の中から、最後まで残った30枚のうちに入っていたんだし、1万円と記念品もらえるわけでしょ。それでまたフィルム買って、来年も出せばいいわよ」

と慰めたが、カレンダーに載ると載らないとじゃ、月とすっぽんなのだろう。

「やっぱり中半カメラの人が多いのかなぁ。僕のカメラじゃ描写力に差がでるかなぁ・・・」

しばしがっくりきていた。

でもまたきっとチャンスはある。あきらめないで出し続けることだ。

ポレポレの感性とビタッと重なる出会いが、いつどこにあるか分からないからおもしろいのだ。

先日、中村市で写真サークルの展示会があった時、中村市民病院の曽我部院長先生が見に来られていたらしい。

ポレポレの作品を気に入って、「あの写真を焼き増ししてもらえないだろうか」ということで、いろんな人を介して電話が入ってきた。

もちろん喜んで焼き増しして、2枚差し上げたようだ。

曽我部院長はたぶん記憶に残ってないと思うが、母が脳梗塞に倒れた時お世話になったことがある。こんなことでご恩返しできるのも、何かのご縁だ。

ちなみにその写真は私も大好きな「駅」だったので、院長先生が気に入ってくださったと聞き、

私までなんだかうれしかった。

カメラマンポレポレは、今日は裏庭でトントンと大工さん。

工房と車庫の間に、近所のおじさんにもらったハウスの支柱を4本立て、屋根をふいて小屋を建てている。

かなり広いので、洗濯物干し場や薪小屋などいろいろに使えそうだ。

daiku357.jpg 裏庭の工房前

6月25日(金)晴れ 案山子

1週間ほど前から、コシヒカリの穂がぼちぼち出始めた。

農林22号も古代米も、順調に成長している。緑がいっそう濃くなってきた。

ポレポレの写真のHPに以前出ていた「案山子」、台風でも飛ばなかったと驚いていた。

リアルなだけでなく、しっかりと作って立ててたんだと感心した。

場所はモクとハナのお散歩コースにある田んぼで、ポレポレは最初てっきりおばさんが働いていると思ったそうだ。

よくあるへのへのもへじではなく、マネキンにカツラをかぶせ、帽子をきせてかさもさしている。

シャツの上にブラウス、テゴをはけて、柄物のもんぺをはいている。どう見ても人そっくり!

こういうのにまで手を抜かず、楽しんで制作するのっていいなあ。

鳥だけでなく人まで驚かそうと、ニンニンしながら工夫しているところを想像して、楽しくなってしまった。

なんでも「楽しむ」精神がいい。

kakasi205.jpg正面に見えるのが我が家kakasikaze223.jpg 風にもまけず・・

6月22日(火)晴れ 真夏日

台風の置き土産ということで、各地で30度を越す暑さとなった。

私の勤務地も高知県で最高の気温だったようで、テレビでさかんに「31,6℃を記録」と流れていた。

驚いたのは、女子生徒の服装が4月から全然変わらないこと。

男子は白い半袖カッターシャツに黒ズボン姿なのに対して、女子は相変わらず長袖シャツに黒いブレザーを着ている。

全校一斉の衣替えではなく、各自の判断で夏服にするのだという。

朝礼で全校生徒が並んだ様子を眺めると、やっぱり異様な気がする。どう見ても女子の列は暑苦しい。

汗をかきかき、冬と同じ黒服を着ているなんて・・・どうなってるんだろう???

前からいる先生に聞くと、「みんなが着ていると合わせてしまうんですね」と言う。

ショック、そんなことまで周りに合わせるのか。勉強よりもそっちの方が心配になってきた。

日本ってとかくみんなの中に埋没していれば安心感がある。異質なものを排除したがる。

でも、変だよーー。この暑さを我慢してみんなそろって冬服なんて・・・。

自分の感性に従う、一人でも行動する、そういう部分って大切だと思うのに。

ほんの少数だが、女子にも白い夏服姿の子もいるにはいる。

なんだかその子たちが、自分の意思を持った子に見えてきた一日だった。

saga352.jpg 昨日の荒れていた海(海沿いに走る国道が私の通勤路です)

6月20日(日)曇り 染め教室

心配していた台風の影響も少なく、染め教室が無事終了した。

新しい参加者もいたし、おなじみさんもいたが、楽しくわきあいあいなのが一番うれしい。

食道がんで長い間大阪に入院していたMさんは、今も通院しながら自宅療養中だが、毎回必ず参加してくださる。

「ようやっと来ているんだけど、みなさんから元気をもらいたくて・・・」とおっしゃる。

いつもセンスのいい服でおしゃれを楽しみ、前向きに生きようとする姿が美しい。

「楽しいことをいっぱいしてくださいね。体中の細胞が喜ぶことだけを・・・」と励ますと、

「同じことを治療院の先生にも言われるんです。」とうなずいた。

貧血に悩むMさんに、レモングラスを差し上げた。

小学校の先生、高校の先生も、日曜日なので参加されていた。同業なので、つい話がはずむ。

「先生って呼ばないでください」と、小さく耳打ちされた。

そりゃそうだ。こういう場では、名前だけでいい。

講師紹介の時、私も「名前だけでいいですよー」と前置きしてしまい、初々しいまじめな新人担当者さんを困らせてしまった。

私はその人そのものとつき合いたい。同じ時間、同じ空間を共有できることを感謝しながら、心からふれあいを楽しみたい。

あとで担当者さんに「参加者アンケート」を見せてみらったら、全員「非常に満足」に○。

楽しくて、元気がわいてくるような企画を、また考えたいなー。

そういうのを考えるのは、私もわくわくする。

6月17日(木)晴れ  ムラサキ

もう絶滅したと思っていた紫草が、なんと幡多郡内にひっそりと自生していた。

先日、高知新聞に載っていて、「タイムリー!」と叫んでしまった。

紫草は万葉集に詠まれた古代の代表的な植物染料だ。

「あかねさす紫野行き標野行き 野守が見るや君が袖振る」と額田王が歌ったように、当時は皇室の色として、野の番人が見張った御領地で育てられていた。

あかねさすの茜は、四万十川のほとりに今でも自生しているのを採集できるが、紫草はもう手に入らない「幻の植物」だと思っていた。

20日に「万葉の色を染めましょう」と題して、茜と紫でシルクストールを染めるのだが、紫草は京都から取り寄せて準備している。

県内でも1ヶ所だけ、すぐ近くに自生していることを知って、ぜひその紫草を見てみたい。

色を染めてみたい。

ai008.jpg 藍染めのTシャツ、魚を三匹しぼってみたけど、どう?

6月15日(火)晴れ 庭の産物

帰宅して庭に出ると、ナス、ピーマンがたくさんなっていた。

さっそく収穫して、焼きナスと野菜炒めにして、夕食に食べた。

スイカはどんぶり大のものが数個と、お茶碗大、杯大のサイズが数個、ついている。

ミニトマトは熟れて収穫できるが、トマトはなぜか毎年ご機嫌が悪い。

今年初めて収穫したスモモは、小粒だ。たくさんなっているので、スモモ酒に漬けて見ようと思う。

ブルーベリーはモクとハナの大好物で、ちょっと目を離すとパクパク食べてしまう。

小鳥やカメムシやワンコたちとまで競争しなければ、人間の口には入らない。やれやれ。

nasu010.jpg   sumomo011.jpg

6月14日(月)晴れ  宇宙のゴミ

カラリと晴れた。梅雨時とは思えない、さわやかな天気。

ポレポレが足長蜂の巣を、ブルーベリーの木のもザクロのも退治してくれた。

中に蜂の子がいっぱいいて、目玉のような黒い部分をうごめかしていた。

だからよけいに警戒し、攻撃してきたのかもしれないと納得。

蜂の子を守るために、手を伸ばしてきた怪物にチクリと刺すのは当たり前だ。

もうほとんど腫れは引いたが、これほど蜂アレルギーがきついとは思わなかった。

足の先から耳にまで体中に赤い斑紋が広がり、かゆくてたまらなかった。

2度目に刺されたら、ショック死の恐れもあるのだそうだ。

もう絶対に蜂には近づかない。

秘薬を塗るように言ってくださったY先生から、きれいな絵手紙が届いた。

「迷えば狭い枠の中 悟れば宇宙のただのゴミ 時間にまかせて旅をする」と書かれていた。

hati007.jpg 一匹だけ蜂の子に登場してもらった

6月11日(金)雨  台風一過

急ぎ足の台風だったが、それでも庭のとうもろこしやチコリ、春車菊など、なにもかも倒れてしまった。

仕事から帰ると、庭はめちゃめちゃ状態。明日は片付けに大変だ。

写真の野菜は・・・なんと、ゴボウ! これだけは倒れていなかった。

2mは越えている。ほかのゴボウは普通なのに、これ1本だけずんずん大きくなったのだ。突然変異?

この間からブルーベリーが熟れて、ポトポト落ち始めていた。とても大きな実で、おいしそうな色になっている。

早く採らなくては・・・と横目で眺めつつ、朝早く出勤。帰宅すると急いで夕飯の支度にとりかからなければならない。

ポレポレに頼んでおいたが、やはり採ってくれていなかったので、夕方「今日こそは・・・」と庭に出た。

ブルーベリーの木には蜂が巣を作っていて、今日は20匹ほど群がっていた。

刺激しないようにそろーと採れば大丈夫だろう。・・・と思ったが、夢中で採っているうちに木が揺れた。

とたんにすばやい一刺しが、左手の中指と肘に。思わず持っていたカゴごと、ブルーベリーも放り出すはめになった。

鋭い痛み。テレビを見ているポレポレに、ベランダごしに「薬、薬」とわめいた。

「僕もブルーベリー採ろうと思って見たら蜂がいたので、採るのは止めて蜂の写真撮ったんだ」

のんきにもうアップもしたらしい。

瞬く間に指がパンパンに腫れて、手の甲も風船のように膨らんでいる。まるでグローブだ。

土いじりと藍染めで汚れ、蜂には刺され、悲惨な手でパソコンをたたいている。

gobo002.jpg 巨大ゴボウ

6月7日(月)晴れ ビワのタルト

ビワを取って甘い粒はそのまま食べ、少しまだ酸っぱいものはコンポートにしておく。

それをタルトに焼いて、ポレポレに試食してもらった。「うまい!」と好評だったので、今日は職場に持って行って食べてもらった。

「小麦粉もうちのなの」とPR。「えーー」と驚く人や、「昔、石臼で粉にしていたよね」と懐かしがる人、さまざまだった。

ブルーベリーも熟れてきた。今度はシフォンケーキにブルーベリーソースをかけて、職場に持って行こう。

taruto350.jpg 台がサクサク香ばしいビワのタルト

6月6日(日)雨  おいしい一日

晴れていれば、Y先生に彗星を見せていただく予定だった。残念ながら、一日中雨。

でも、潮騒を聴きながら、おいしいお刺身と骨と皮をいただいて、満たされた。

あんなに気持ちいい空間も珍しい。海のすぐ近くだが、周囲は木々に囲まれて、涼しい風が吹き抜ける。

自然素材だけで作られた家に、骨董の階段箪笥や茶箪笥、木の火鉢、藍染めのタペストリー、刺し子のはんてんなどがよく似合う。

尺八や世界の民族楽器、天体望遠鏡、水晶、瓶に挿したあじさいの花・・・いろいろなものがあるのに、違和感なく落ち着く。

「ずーと、ここに居たい」きっとみんなそう思うはず。

新鮮なトビウオの刺身の美しさ、そのおいしいこと! アラも決して捨てないで、皮も骨も炭火で焼く。それが、刺身に負けないくらいおいしいのだ。

「魚は捨てるところは無い」と先生のおっしゃる言葉に納得。本当に骨もかりかりして、ビールに合いそう。

キャンプなどに行ったら、骨で味噌汁を炊くととてもおいしいそうだ。絶対やってみようと思う。

ごちそうに負けず劣らず、先生の話がおいしい。何時間でも聴いていたい。

途中で知り合いのご夫婦がやってきた。奥様がおめでたで、予定日が7月12日だそう、もうすぐだ。

すると先生が、「いや、ちょっと早くなる。7月4日になるよ」と平然とおっしゃる。ひぇーー、目が点になった。

不思議だけど、不思議じゃない。今まで先生にはたくさんの魔法を見せられたから・・・。

sasimi348.jpg 向こうの網の上のアラにもご注目

6月4日(金)晴れ 梅ヨーグルト

夜はずっと毎晩、梅の始末に追われた。

梅干を漬け、梅酒を仕込み、梅シロップに煮梅・・・、梅の夢を見そうなくらいだ。

途中で容器が足りなくなって、100円ショップに買いに行ってきた。なんとか全部仕舞いがついて、ほっ。

煮梅はもう食べているが、これがなんとヨーグルトや牛乳と不思議と合うのよね〜。

トロンとした感じと甘酸っぱさが、やみつきになりそうな季節の味だ。

庭はチコリがうっそうと繁っている。なにしろ2mもあるハーブなのだ。

繁殖力もすごくて、あっちからもこっちからも芽を出し、ぐんぐん伸びた。

青い星のような花がとてもかわいいのだけど、この背の高さは驚いてしまう。

tikori343.jpg

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