詩とエッセイのページ

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最終更新日2012.1.9

    私がこれまで出版した詩集とエッセイ集です。

全部で8冊出したのですが、4冊はおかげさまで売り切れました。

     残部のある4冊をご紹介します。

詩集はすべて中学生たちが書いたものですが、大人が読んでも感動します。

             「読みながら涙が出た。心が洗われた」という声が、たくさん寄せられています。

                  そんな反響もご紹介しながら、心の交流の場になればうれしいです。

あなたの近くの図書館にぜひリクエストお願いします。ご注文はメールで。

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左側 「心の目心の詩 第2集」900円(税込み)122編の詩と、         左側「夢に向かって」1000円(税込み)

    詩を読んだ大人たちの感想を載せました。                   中学三年生が書いた84編の詩と、

右側 「心の目心の詩 第3集」800円(税込み)39編の詩と              その詩が生まれた授業の様子を

    詩にあらわれた中学生の特徴、読者の感想のページを              「心をつなぐ詩の授業」と題して

    載せました。(完売しました)                         まとめました。

                                           右側「すがお白書」1300円(税込み)

                                            生徒たちとの心のふれあいエッセイ                                         

1、心をつなぐ詩の授業

「心の目」というのは、私が作った表現ノートの名前だ。

1ページが200字の原稿罫になっていて、開くと400字詰原稿用紙になっている。

下部に余白をたっぷりととっていて、私が赤ペンで返事を書いたり、それに対して生徒がまたコメントを書いたりする。時には、イラストを描いてあったりも。

教師になってから、国語の授業を担当する生徒たちに配って、自由に書いて提出してもらってきたのだが、このノートが生まれるきっかけは教育実習での体験からだった。

わずか2週間の母校での実習だったが、生徒たちがたくさんの手紙を手渡してくれることに驚いた。ノートの切れ端に書いたつぶやきのようなものもあったが、毎日顔を合わせているのにどうしてわざわざ書いてくれるのかと不思議だった。

たぶんそれは、「自分のことを分かってほしい」「自分の気持ちを聞いてほしい」という、生徒の心の底にある願いだったのだ。

その体験によって、自分がどういう教師を目指すか、ほぼ方向づけられたように思う。

私一人で担当する生徒は、大きな学校になると200人ぐらいいる。授業で顔を合わせていても、一人一人の心を受け止めたいと思うと、表現ノート「心の目」の役割りは確かに大きかった。

そして、それ以上に、私自身が教師として育てられたのも、実はこのノートによって「生徒から学んだ」ことが大きかったのだ。

生徒たちが書いてくれるものは、どれも本当にいとおしいほどの素直な心だった。

「どうして私なんかにそこまで心を開いて打ち明けてくれるの?」と戸惑うくらい、大事な秘密や心の奥にある本心をさらけだしてくれた。

私一人だけ感動するのはもったいなくて、できるだけプリントしてみんなで読み合う授業をした。読みながら涙を流す子も珍しくなかった。そして、必ずどこの学校でも「また心の目の授業して!」という声がわきあがった。

これは別に私だから・・・ではない。「えんの会」というグループができて、メンバーの先生たちがいろいろな学校で同じ実践をしたが、やはり同じように生徒の感動が大きかったからだ。

窪川中学校3年生191名の感想を紹介したい。詩集「夢に向かって」は、この子たちとの心の目から生まれた。

感想を読むと、なぜ「詩を読み合う授業」が生徒たちに待ち望まれるのか、よく解かった。

■詩を書いていると幸せ。もっと書きたいなとか、夜ねる時ふと思いついたことを、勉強もせずに三つも四つも書き続けている。

詩を書いている時は、幸せです。(4組 南部竜太郎)

■最近、詩を書くことにはまりました。詩って、書き出したら止まらなくなるネ。(3組 田中志穂)

■みんなの詩を読んで、今まで「他の人に悩みなんてない」と思っていて、みんながうらやましかった。

でも、みんなの素直な気持ちを読んでいると、「いっぱい悩んでいるのは私だけじゃないんだなあ」と、ふとみんなにつつまれている感じになって、うれしくなりました。

いつも話さない人も、こういうことを考えてるんだぁ、やっぱりみんな同じなんだぁと。

そして、いつも強がっている人も正直な気持ちを持っている。

そういうことが分かって、本当にうれしくなりました。(2組 山中さゆり)

一つの教室の中で毎日顔を合わせていても、本心を隠し仮面をつけて友達づきあいをする子が、けっこう多いように思う。

だから、心を開いた詩を読んで、「みんな同じなんだ」と分かって、うれしくなるのだろう。

「ふと、みんなにつつまれている感じになって」という一文に、その子の気持ちがにじみ出ていると思った。

■詩にすると、いろんなみんなの気持ちが分かる。みんなといっしょになれた気がした。

みんながますます好きになった。 ( 2組 植村愛美)

■私は「心の目」のみんなの詩を見て、詩というものでみんなが一つになっているように思ったよ。

そして、何よりもみんなの心が見えて、私はとてもうれしいよ。(2組 中平美水)

■「心の目」は、僕たちの心をつなぎ合わせていくものだと思う。(4組 岩崎政樹)

心を開くことで理解し合い、理解しあうことで人を好きになり、ばらばらだったクラスがまとまっていった。

岩崎君の感想から「心をつなぐ詩の授業」というタイトルが決まった。

心がつながると、次には「自分も心を開いて書いてみたい」という思いがわく。

教師が「書きなさい」と命令するのではなく、自分から「書いてみようかな」という気になるのだ。

■みんないい詩ばかり書いていてよかった。私もいろいろ書きたくなってきた。(5組 武政朋香)

■みんなすごく自分の気持ちを素直に書いていてよかったです。私も一回書いてみようかなと思いました。(5組 河野晴花)

■このプリントを見ていると、自分にも書けそうな気がする。(4組 田中崇禎)

そうして次第に書く生徒が増えていった。

1,2学期に受け取った詩だけでも、7600編!! 信じられない数だ。

一遍ずつコメントを書くだけでも、なかなか時間が足りなかった。

それを補ってくれたのは、やはり生徒同士の感想だろう。短いが心が伝わる感想ばかりだった。

感想の中でとても多いのは、「心が落ち着く」「気持ちよくなる」「勇気がわいてくる」などだ。

■みんな思っていることは同じなんだなぁと、つくづく思った。だから詩っていいんだよね。心が落ち着く。(5組 塩見悦子)

■詩を読むと、なんかやる気が出てくるし、読んでいても楽しい。(1組 北村健志郎)

■部活とか受験とかでいらいらしている時に、「心の目」を読んだら、共感して安心する。(1組 新谷日佐子)

■詩とは、悲しい時に聞くと助けになってくれる歌のようなものだ。詩とは、現代人の救世主なのかもしれない。(1組 永野貴俊)

                                                                                                     

詩が心を癒してくれることを知って、社会的な効用まで考えた生徒がいたのには、本当にびっくりした。

■人の心の声を聞くのは楽しい。こういうことをしていると、少年犯罪もなくなるかも? (2組 槇尾拓生)

■詩はただ書くだけじゃなくて、気持ちを伝えるものでもあると思う。

 みんなの気持ち、よく分かる。こんな授業増やしてほしい。

 みんな自分の気持ちが伝えられないから、殺人や社会に反していることが起こってると思う。

 もっと自分の気持ちを、詩や文章にぶ つけてほしい。(2組 森岡愛)

■こんないい詩ばかりを読むことによって、学校中の人たちは心が明るくなると思う。

 詩を書いている時の人の心の中は、純粋だということが分かります。(4組 高橋 亮次)

詩を書くことで、自分自身と向き合うことができるという感想も、とても多い。

■僕はこの「心の目」のおかげで、今の自分を見つめ直せた。みんなの心の中の思いも伝わってくる。このプリントは、すごくいいも のだと思う。卒業するまで、ずっと続けてほしい。(1組 黒田彰)

■「心の目」のノートがあるから、こうやってみんな自分の想いや気持ちが書けるんだと思う。自分の本当の心が見えるんだと思う。

 私もそうだったから。

 「心の目」のノートがあれば、それ一冊でそこに本当の自分が写し出される。きっとみんなそうだと思う。

 言葉ではうまく言えないけれど、「心の目」には書けるんだ。(4組 山本紀子)

■詩には一つ一つ心がこもっていておもしろい。「心の目」にはなんで、恥ずかしいこととか、自分の思っていることを素直に書ける のか、不思議でたまらない。(4組 島岡賢志)

「詩を読み合う授業」に対する期待の声も、毎回出てきた。

■14号が楽しみでしょうがなかった。国語の授業の度に、心を高鳴らせていました。

 14号の詩、どれもがよくて新鮮だった。これだけ「詩」をスキにさせてくれたみんなに、感謝してます。ありがとう。

                                                  (4組 金子みゆき)

■あー、やっぱり詩は、心で思っていることを正直に書いてしまうんだなと、このたくさんの詩を読み思いました。

 詩は、自分を癒す だけでなく、読む人の心も癒してしまう。これからもこの授業をやってください。(4組 谷口美恵)

■いつも「まだかな」って詩の授業を待っている。

 他の人の書く詩を読んでいるとなんだか気持ちがよくなるから、またいっぱい詩の授業をしたいです。(4組 南部竜太郎)

■私も詩の授業が大好きです。

 みんな何もないような顔をして笑っているけど、本当はみんな同じように悩みがあって、考えている事があって、そういう気持ちを 素直に出せる。そこが好きです。(1組 林加奈)

また、プリントに載ることをとても喜んでくれており、それが書く意欲につながっていることも分かった。

■詩を書いていてうれしい事は、プリント「心の目から」に載り、みんなに感想を書いてもらった時です。

 自分に自信ができるし、みんなの一声一声が、僕に新たな詩を書かせてくれるから。(4組 武田匡史)

■自分の詩がプリントに載ると、ほんとにうれしくなります。

 みんなに自分の心を読んでもらえて、ほんとにうれしいです。「また詩を書こう!」という気になれます。

 もっとみんなの心が知りたいし、私の心もみんなに知ってもらいたいです。(2組 高橋舞)

保護者のみなさんの感想も、本当にありがたかった。

子どもたちの心の声に耳を傾けてくれる大人の存在が、今とても必要だからだ。

●毎回、子どもの「心の目」には驚かされ、そして感動しています。

 感想も、素直であたたかくて、すごくいい感じですね。友達の詩に同じ痛みを感じたり励まされたり、癒されたりしている。

 一人一人、姿、形、考え方も違うのに、詩を通して気持ちがひとつになっている。

 詩ってすばらしいですね。私も思わず感想を書きたくなってしまいました。(中略)

 子どもの「心の目」を読んで一番感じたことは、自分の中にあるどうしようもない弱さやもろさを見せてしまった時、それが思いが けず相手を励ますことになったり、共感を感じさせたりするのなら、それはもう弱さやもろさではなくなるんじゃないかなぁ。

 いつも強くなくてもいいんじゃない。人はみんな、弱さやもろさをかかえて生きているんだから・・・。

 だから、ホッとできる空間て、家でも学校でも大事だと思うんです。

 自分が自分でいられる場所、そこに行けば自分になれる場所を見つけて、大事にしてほしいと思うんです。(2組 男子の母)

●中学生だからとか、他にすることがあるんじゃないかとか、大人がごちゃごちゃ言うかもしれませんが、いいじゃないですか。

 勉強もして、スポーツもして、それに恋もいいじゃないですか。

 失恋もおおいに結構。また恋をしてください。

 そして、相手の立場を考えて話が出来たり、行動が出来るようになって、心の痛みや優しさが分かる人間になればよいと思います。

                                                  (1組 男子の父)

●子どもたちの「心の目」、すごいですね。

 子どもとばかり思っていたのに、いつの間にかこんなことを考えているなんて、なんだかうれしくなってしまいます。

 どれを読んでも心があったかくなるような気がします。(4組 男子の母)  

●「心の目から」読ませてもらいました。「今時の若い者は・・・」というのは、いつの時代も聞かれる言葉ですが、中学生の考えて  いること、本質というのはあまり変わらないものだと感心し、安心します。

  おでんの詩を読み、「いやあ、我が家とそう変わらんやいか」と思い、親近感を覚えました。(4組 男子の母)

●今どきの子と、もっと違った思いがしていたのですが、「心の目」を読んで、ああよかった、自分たちの同じ歳の頃とよく似た思い や考え方でいることが、うれしいと感じたことでした。

 世の中のことや家族のこと、自分のことを、真面目に考えられる人、これからもどんどん夢に向かって近づいてほしいと願っていま す。一人一人の個性を大切にしながら。(3組 男子の母)

●子どもたちはすばらしい「心の目」をたくさん持っているんですね。思わずハッとさせられたり、ほのぼのと温かい気持ちにさせて もらったり・・・。毎日が慌ただしく過ぎていく中、少し気持ちに余裕が無くなっていましたが、なんだかほっとするひとときでし た。(5組 女子の母)

●とてもおもしろい「心の目」ですね。これからもどんどん載せてください。みなさんの気持ちが分かったような気がします。こうし てみんなは、大人へと一歩一歩進んでいくんだなと思いました。(4組 女子の母)

 心開けばこだまが響く−−−−−自分の思いを受け止めてくれる人がいたことの喜びは、生きる力にもつながっていく。

「親の感想」もまた一枚文集にして、生徒に返していった。

■大人の人の感想を読んで、また一段とみんながつながっていると思った。悩みを書く自分、それを聞いてくれる先生、意見を言って くれる友達、そしてそれを見て感想を言ってくれる大人の人。これからも「心の目」を通してつながっていきたいです。                                                       (2組 北川 美里)

■うーん、大人の人もこんなふうに考えてくれているとは、思ってなかったです。なんかとってもうれしい感じです。分かってくれて いる人もいるんだなって。どうもありがとうございました。(4組 國元 梢)

■「1組のパパさんの感想」を読んで。父親さんも、こうやって進んで書いてくれるんですね。こんなふうに思っていてくれて、なん か子どもの方も親の「心の目」を、少し理解できた気がする。見えないものをこうやって書いてくれて、ほんとに「心の目」はほっ とする。(4組 青木 梢)

■父や母にも、私たちの心が、ちゃんと伝えればしっかり伝わるんだということを知って、感動しました。(3組 横山 知沙)

■親は、自分勝手で、自分の意見を子どもに押しつけて、子どもの気持ちなんか全然考えてくれないと思っていたけど、そんなことは なかったんですね。たぶん、親も、子どもと同じで、必死なんですね。(2組 長山 晃子)

■親ってすごい。やっぱり人生の先輩だからかなぁ。自分も親の立場になったら、こんな気持ちになると思う。(3組 佐竹 祐也)

■親からの感想、すごく良かったです。みんな、親も子どもの気持ちを分かっているんだナと思った。私も今日帰って、母に詩を見せ てあげたいです。(3組 武田 莉沙)

■親の方からこんなにいい感想もらったら、窪中の生徒は本当にうれしいと思う。これからもこのような親と子と先生の関係を続けて いってほしい。(2組 河上 誠)

■自分たちの詩を保護者の方々にも読んでいただけて、本当に感激です。「心の目」の力ってすごい! みんなのこころをつないじゃ うんだから。(2組 高橋 舞)

■「心の目」はすごいですね。全国にあったら、みんな幸せになれるかも。(1組 山野上 奈美)


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