2004年3月の暮らし

3月28日(日)晴れ だるま夕日写真コンテスト

宿毛市の「だるま夕日写真コンテスト」表彰式があって、ポレポレの両親も一緒にでかけた。

初夏といってもいい暑さで、一日中海辺の公園で楽しみ、みんな真っ黒に日焼けして帰った。

ポレポレは今年で3年連続受賞になり、私も毎年ついてきている。楽しみは表彰式ではなく、観光びらきの出店のほうだ。

去年は式が終了してからいざ食べようとすると、全然無くなっていて悔しい思いをした。

だから今年は、最初から「食べましょう!」とねらいを定めて、きびなごの天ぷらやおからのお寿司、芋煮など早速買った。

初めて食べたのが、「みかんもち」だ。きれいなオレンジ色のおもちで、アンコは白アン。上品な味でとてもおいしかった。

うちでもいろいろなおもちをつくが、みかんもちは想像したこともなかった。

オレンジ色はたぶん、みかんの皮をすってもち米に混ぜてついたのだと思う。一度チャレンジしてみようかな。

3月27日(土)晴れ 四万十野鳥自然公園

昨夜からポレポレの両親が来高している。

今日は、中村市のトンボ公園や為松城、四万十野鳥自然公園、入野の浜などをのんびりドライブした。

私自身初めてだったのが、四万十野鳥自然公園だ。

義母は野鳥が大好きで、野鳥の会にも入っており、国内外に探鳥の旅をしている。

いつも双眼鏡を放さず、鳥を見たらもちろん、鳴き声だけでもすかさず「○○だわ!」と叫ぶのでびっくりする。

四万十野鳥自然公園は、四万十川沿いを土佐清水市に向かって下り、大文字焼きの見える場所にあった。

沼をぐるりと取り囲んだかなりの広さで、お弁当持参で一日がかりで行くのがいいかも。

義母に言わせれば、「はーと・らいふ村の方が、野鳥が多い」そうで、「確かに小鳥がよく来てるな〜」くらいの認識しかなかった私は、「村便りに書きたいので、お母さんが見た鳥の名前、全部教えてください」とお願いしてある。

1羽はっきりしないのがいたそうで、それを調べてからFAXくれるそうで楽しみだ。

yatyo171.jpg 四万十野鳥自然公園

3月26日(金)晴れ 袋はいいです

最近ひそかにいい気分になっている。

スーパーのレジでビニール袋を渡そうとする店員さんに、「あ、袋はいいです」と断る時だ。

ようやく私らしい方法が身について、うれしい。

これまで私は、いくつものエコバックを持っていながら、ちっとも使っていなかった。

今日こそはビニール袋をもらわないように、ちゃんと袋を持参するぞと心に誓うのだが、せっかく持って出ても車の中に忘れたりして

自己嫌悪に陥ってしまうのがおちだった。

かくして家にはビニール袋がたまる一方。

これではいかんと一念発起(ちと、オーバー?)して、ビニール袋を小さく三角形にたたんで、いつも2個ばかりバックの中に持ち歩くことに決めた。

これだと忘れることはない。その上、買い物の時だけでなく、なにかと役立つことが多い。

軽いので荷物にもならないし、何度も繰り返し使えるくらい丈夫。

すっかり習慣づいたので、もう大丈夫だ。

小さなことだが、ようやく実行できだした自分がうれしい。いい気分だ。

noyaki125.jpg 田んぼが始まる前に「野焼き」をする

3月25日(木)曇り 千代子ブランド

土佐清水市での手仕事展は、私たちに新たな出会いをたくさんもたらしてくれた。

宿毛市で小さな喫茶店とアトリエを経営している千代子さんも、その一人である。

転任の前に、一度お伺いするとの約束をはたさなきゃと、今日挨拶に行ってきた。

「千代子ブランドを見てほしくて・・・」と目を輝かせて出してきたのは、丁寧なパッチワークの古布ストールだった。

さまざまな柄の美しい絹の布を、正方形にして市松模様にパッチしてある。

「このきれは、母の振袖。これは私の道行きだったのよ」と、その一つ一つに思い出がいっぱい。

本当に好きでやっているから、細やかな手仕事も楽しくてたまらないふうだ。

今のところごくわずかの人にしか知られていないようだが、ご主人を亡くし一人で生きていく千代子さんを応援したいと思う。

そう言うと「ありがとう、キリコさん! 新聞見てどうしても行きたくなって・・・土佐清水まで出かけて本当によかった。元気が湧いてきた」とおっしゃった。

手仕事展が人と人とのつながりの場になり、楽しい交流の輪を広げられたら・・・うれしい限りだ。

tiyoko169.jpg 千代子さんの古布ストール(裏地は黒一色)

3月23日(火)晴れ 離任の挨拶

21日の新聞に人事異動の発表があって、昨日は高知市出張。

今日職場に行ったら、次ぎつぎと挨拶の人が来てくださって、びっくりした。

私は31日まで居るので、その間に暇をみて挨拶にこちらから伺おうと思っていたからだ。

朝一番は、オカリナ教室に来てくれたKさん。彼女はボランティア活動をしており、「陽」にも関わってくれるようになった。

活発な人で、政治についてもよく勉強しているので教えてもらうことが多かった。

続いて「キリコさんのおっかけ」と呼ばれた一人だった、Oさん。染め教室に来てくれたのが、出会いだった。

いつも職場に会いに来てくれて、教育のこと、芸術のこと・・・いろいろ教えていただいた。

1月に成人式を迎えた、無職のT君。いつも、「先生居る?」と職場のドアから無気力な顔をのぞかせていた。

ほとんど毎日のように来ていた時期もあり、逆に来なくなると「どうしたんだろう?」と心配になった。

目に涙をためて、「先生ほんとに行くが? 早過ぎるぜ」と訴えかけた。

「また、宿毛にはたびたび来るよ。その時には就職していてね。必ず職場に訪ねて行くから・・・」と言うと、「うん。絶対来て」と力強くうなずいた。T君、約束だよ。忘れっぽい私だが、この約束は忘れないからね!

これまた毎日来ていたタッ君は、「タツノリ」と名前を書いて手作りの小物入れをくれた。

自分の方からご挨拶に行かなきゃ・・・と、午後から外に出たら、すれ違いでKさん、Yさん、Nさん、O課長が来てくださっていたそうだ。申し訳ありません!

YさんやNさんは、この「村便り」もよく見てくださっているようなので、この場でお礼申し上げます。

「本当にお世話になりました。染め教室やブックスタートのボランティア・・・ヨンデンの教室や、うちにも来てくださって、とても嬉しかったです。またきっとお会いできますよね。」

2年間はあっという間だったが、改めて「宿毛でたくさんのステキな人たちに出会えて幸せだった・・・」と気づく。

これを書いている後ろからポレポレがのぞき込んで、「2年しか行ってなかったのか。なんかもっと長く行っていたような気がするな。4,5年行ってたような気がする。いろいろ内容が濃かったのやろうか?」とつぶやいた。

そういえば、夫にもずいぶんとお世話になった。慣れない社会教育主事という仕事について、予算もほとんど無かったし、夫にはボランティアで木工教室講師を何度もしてもらった。

ただ働きさせて申し訳ないと思いつつ、いざという時助けてもらって本当にありがたかった。

すっかり慣れていた町と別れるのは、さみしい。まだまだ知らないことだらけだった町と別れるのは、残念だ。

こんな出会いと別れを何回繰り返してきただろう。春はなんだか物憂い季節だ。

今日ご挨拶をしたのは、ほんの一部の人になってしまったので、31日までに出来るだけ多くの人にご挨拶に伺おうと思っている。

でも、明日はまた出張だし・・・わわ、留守中また職場に来てくれる人がいたら申し訳ないな。居なかったら「すみません!」

yama105.jpg 春雨にけむる木々

3月21日(日)曇り イタリアのパスタの香り

今日はとってもステキな一家の訪問があった。

HPを見て玄米を買いに来てくださった若いご夫婦と、二人の子どもさん。

お米は近くだったら配達出来るのだが、お母さんからいただいた注文メールがとてもうれしかった。

作っている人から直接買うのは初めてで、5歳の娘さんにぜひ体験させたいという内容だったのだ。

食べ物はスーパーでお金を出せば手に入るもの・・・と思い込んでほしくないとのこと。

しっかりしたお母さんに育てられた娘さんは、とっても賢くて生き生きして、いくらでも話したくなる楽しい子どもだった。

庭の畑で大根やからし菜、レタス、麦、にんにく、トマト、キャベツなどを見せると、一つ一つに反応した。

「大根の首のところが紫!」というのには、感心してしまった。

「うわっ、すごいよく見てるねー。」とすかさず頭をなでる。

「にんにくは嫌いかもね?」と決めつけた言い方をすると、「ううん、好き! お肉と焼いてよく食べる」。

「じゃあ、引いて持って帰る?」「うん、自分で引いてみたい!」

力いっぱいうんうんがんばって引き抜いて、「手が赤くなった」と見せてくれた。

新聞紙に包んであげると、自分でしっかり抱えて帰りぎわに「イタリアのバスタの匂いがする」とうなずいた。爆笑。

ポレポレと二人で、しばらく5歳の少女の話が続いた。「5歳って、あんなにしっかりしてるもんなのー?」と感心しきり。

田んぼのメダカたちや、稲刈りの頃のバッタや野うさぎを、ぜひ見せてあげたいなー。

sumomo329.jpg 西庭のすももの木に白い花が咲いた

3月18日(木)晴れ 

ミモザがようやく開花した。例年よりずいぶん遅い。

花盛りは水仙、ムスカリ、ペチュニア、からし菜、ビオラ、ガザニア、ダリア、雪柳、クリスマスローズ、翁草・・・。

私は、ペチュニアやダリアはあまり好きではない。うちの庭には似合わない気がする。

ハーブの花のように、花自体は地味だが伸び伸びと自然に咲くのが好きだ。

または翁草のように、ひっそりとさりげなく咲く花がいい。野の花のイメージが好きなのだろう。

ポレポレにそう言ったら、「そんなことはないよ。どんな花だってきれいだよ。スマップの歌にもあるでしょう」と怒られた。

どんな花もきれいでも、好き嫌いがあるのはどうしょうもない。そして、庭には好きな花と木を植えて眺めたい。

ハーブの種は、カモミール、ラベンダー、コモンセージ、スィートバジルを蒔いた。

ディルの種がなかなか入手できなくて、探さなければならない。じゃが芋料理には欠かせないもんね。

庭といえば、近々行ってみたいと思っているのが、京都の森孝之さんのエコガーデン「アイトワ」だ。

ずーとずーとあこがれている庭で、宿毛-京都高速バスが開通してから、ますます行きたい気持ちがつのっている。

森さんの書かれた文章の中に、「天国とは、自分のしたいことがたくさんある所だ」という一文を見たことがある。

「アイトワ」が森さんの天国なら、「はーと・らいふ村」は私にとって天国かな? やりたいことだけはいっぱいある!

あり過ぎて困っている・・・

me508.jpg こぼれ種で出てくる芽も、かわいくて大好き!

3月16日(火)晴れ やったー! 公立高校合格発表

第一報が入ったのは、午前9時を少し過ぎた時だった。

高校合格! おめでとう、おめでとう!

全員合格だ! 本当にうれしい。

これからの3年間、今日の喜びを忘れずに、時には休んでもいいから、卒業の日までがんばってね。

ずっとずっと応援するよ。

初夏を思わせる陽射しがいっぱいの日だった。

3月15日(月)晴れ 土佐清水での手仕事展

初めて土佐清水で手仕事展を開催。

お世話になった市役所のNさん、企画し進めてくださったフエさんと手作り仲間たち、そしておいでくださったみなさん、どうもありがとうございました。

土佐清水まで通いながら、「いつもは逆に、みんな遠くから来てくれたんだなー」と改めて感謝だ。

毎日来てくれた人や、一日何度も来てくれた人もいて、「懲りずにまた土佐清水でやってくださいね。今度は私たちがチラシを配ったり、口コミで宣伝しますから・・・」と言ってくださったのが、何よりうれしかった。

ポレポレのエゴノキのスツールを買ってくださったのは、鹿児島から来ていた人だった。

大きな荷物になるので、「飛行機に乗るのが恥ずかしい」と言いながら、両手に下げて帰って行った。

以前、シルバーカーをついてうちの手仕事展に来てくれたおばあちゃんが、また土佐清水にも来てくださったのには驚いた。

息子さんが連れて来てくれたのだそうだ。

エレベーターまで見送りながら、本当に心の底から「ありがとうございました」と深ぶかと頭を下げた。

2日間にいっぱい出会いや再会があった。手仕事展の喜びは、やっぱり毎回「人との出会い」だと痛感する。

ご縁を大切に、また次の手仕事展でお会いしたい。

hasigo162.jpg はしごに色とりどりのスカーフを並べて・・・

3月12日(金)コシヒカリの播種

ポレポレは播種機でコシヒカリの籾種をポットに播いた。

籾種はイガを取って熱湯で消毒し、水を取替えながら発芽させたものだ。

そのポリ桶はずっと暖かいお風呂場に置いていたので、発芽までの間は人間の方が遠慮しいしいお風呂に入った。

これは子どもの頃からずっと見慣れている。

バスタブに浸かりながら場違いな桶を眺め、「ああ、今年もいよいよお米作りが始まる」と思うのは、大人になっても変わらない。

1年に1回限りのお米作りだから、一生のうちに何回作ることになるのだろう。1回1回が貴重な体験だ。

無農薬有機にこだわるポレポレは、米作りがとても上手でけっこうみんなに誉められる。

でも当人は、「米糠や籾殻を入れて土作りをしているけど、どうやったらおいしくなるか本当のところよく分からない」と正直だ。

化学肥料で食味を調整するわけではないので、お米の力、田んぼの力、そこにいるメダカや無数の小動物たち、山からの湧き水や周囲の木々や・・・とにかく自然の力がおいしいお米を育てているのだろう。

我が家はお米大好きぞろいなので、本当によく食べる。1日8合炊くと話したら、聞いた人がひっくり返りそうに驚いた。

食べ過ぎかしら? で、それから7合に減らしたんだけど・・・。

hasyu327.jpg 播種機の状態を見ながら作業

3月10日(水)晴れ 公立高校入試

気温が20度を越え、やっと春らしい気候になった。高知ではもう田植えをしている地域もある。

公立高校入試。陽の家の5人も挑戦した。たぶん大丈夫だと思う。自信ある。

夜7時から、市毛良枝さんの講演会があった。

先々週、南極から帰ったという市毛さんが、とてもいいお話を聞かせてくださった。

「自分の人生の主役は、間違いなく自分。やりたいと思ったことは実現しよう。やりたい・・・でも、私は・・・と言う人は、本当にやりたいわけではない。人はやりたいと思うことは、何でもできる。エベレストだって、一歩一歩登って行けば、頂上へ着ける」

本当にその通り! とうなずきながら聞いた。

ポレポレも私も、やりたいと思うことを実現しながら生きている、と思う。

nihiki091.jpg 海辺でじゃれるモクとハナ

3月7日(日)雪 高知市へ

朝4時30分に起床したら、外は真っ白。

やばい、今日は9時から高知市で大事な会があるので、6時には出発しなければならないのに、雪が積もっている。

まだまだ降ってくる暗い空をにらみながら出たのだが、高知市はいい天気だった。

どうも雪は県西部が多いような気がする。

今日は県内の23NPO団体の方と交流し、大勢の方に励ましていただいた。すごく勉強になった。

みなさんやはり積極的に社会活動をされている人ばかりなので、話を聞いていて楽しい。

帰り道に伊野町の「はた舎」に寄って、創造の刺激も受けて来た。

手仕事展もあと1週間。薪ストーブの上には、お鍋がいくつも乗っかっている。

蓬、山桜、茜、くちなし、うこん・・・みんな染色中だ。なにしろ1週間は毎日煮なければならない。

ポレポレがディスプレイ用のはしごも作ってくれたので、今回はありがたくそれを使わせていただく予定。

biwa289.jpg 左から山桜、びわ、タブの木で染めたストール

3月6日(土)雪   貝母の花が咲いた

また雪だ。3月にこんなに雪が降るなんて、珍しい。

ポレポレが田んぼに苗床を作り、水を入れているのだが、見るだけで凍えそうになる。

ムスカリも翁草も貝母も、花開いたもののあまりの寒さと強風に震える日々だ。

貝母と書いて「バイモ」と読む珍しい花は、宿毛市のUさんにいただいた。

宿毛での2年間、子どもから高齢者まで大勢の友達に恵まれたが、Uさんとは「植物つながり」かな?

ご主人を亡くしてからUさんは、広い庭のある大きな家に独りで住んでいて、趣味の山野草を楽しみにしている。

「キリコさん、珍しい花が咲いたからいらっしゃい」とお誘いがある度に、私は喜んで飛んで行く。

たいがいおはぎやタルトなどにコーヒーを準備してくださっていて、「花よりタルト」とばかりパクパク・・・。

Uさんにはこだわりがあって、「原種」が好みなのだ。品種改良されたものには、見向きもしない。

私はUさんにいただいて初めて、朝顔にもクチナシにも吾亦紅にも「原種」があることを知った。

Uさんには他にも、タチバナや仙台萩やテリハ野イバラや・・・覚えていられないくらい、珍しい植物をいっぱいいただいた。

でも、貝母は特別。その変わった名前といい、花姿といい、絶対忘れられない花だ。

baimo157.jpg 冬枯れの庭に咲いた貝母の花

3月2日(火)晴れ エイプリルフールには早いでしょ!

三寒四温、おまけに春何番だか分からなくなった風も吹き、服装に苦労する。

ののちゃんのお母さんから、「少し話したいので・・・」と泣きそうな声で電話があった。

すべてを察知、受験ダメだったんだ。どう慰めようかと頭の中がぐるぐるする。

とぼとぼと歩いてくる二人。ののちゃんは手を顔に当てて、泣く泣く歩いて来る。私も小走りで駆け寄った。

ひしっと小さな頭を抱きしめて、「大丈夫、大丈夫よ。ののちゃんなら・・・」と言いかけたとたんに、「ばあ〜〜!」

もうっ、ひどい! エイプリルフールにはまだ早いでしょ!

少しして、ナンヤ君もお母さんとにこにこしながらやってきた。「おめでとう!」がっちり握手!

陽(ひざし)の小学生二人は、そろって合格した。幸先いいぞ。中学生にも自信になる。

五台山の竹林寺まで行って、合格祈願してきた。その時、目出しダルマのお守りを買ってきて、子どもたちにあげた。

おかしかったのは、社務所の女性に「このお守りは合格のですよね。オメデトウで目が出てるんでしょ?」と自信満々で聞いた時だ。

笑いをこらえた女性は、「いいえ、才能の芽が出る芽出しダルマです」と答えたのだった!

どっちでもいい。陽(ひざし)で頑張った子どもたちは、全員合格してくれ〜。もちろん、それぞれが持っている芽も出してくれ!

daruma.jpg 合格メデタシ、メデタシ・・・

2004年2月の暮らし

2月28日(土)晴れ 修了式

「陽の家」で、3年生5名の終了式とK先生とのお別れ会をした。

全員出席で、K先生は1時間延長して授業をしてくださった。

最後まで「まだまだ教えたいことはいっぱいやけんど・・・」と名残惜しそうだった。

家主さんがまたケーキや紅茶、コーヒーなど、たくさんの差し入れをくださっていた。いつもありがとうございます!

生徒には、いろいろ思案した末に、私の筆で手書きの一人一人に言葉の違う修了証書を準備した。

一枚一枚異なる修了証書なんて、「陽の家」らしいと嬉しかった。

K先生には、生徒と親と私の寄せ書きの色紙と、花束、お土産のお菓子を贈った。

ご家族のみなさまもきっと、先生のお体のことを思い、心配しながら授業に送り出してくださっていたと思うのだ。

お土産のお菓子は、そんなご家族と一緒に召し上がっていただきたいという気持ちからだった。

先生から最後の言葉があり、ガンが転移して余命いくばくもないと言われていること、でもみんなと授業ができて本当に楽しかった・・・とおっしゃってくださった。

週2回、一度も休まず来て熱のこもった授業をしてくださったK先生。エネルギーを感じさせる授業からは、とても74歳という年齢は信じられなかったし、病魔に侵されているなんて今でも信じられないくらいだ。

子どもたちは熱心にくいついていき、着実に伸びた。

色紙に書かれた一人一人のメッセージからも、先生と出会えて自信を取り戻していった声があふれていた。

私は色紙を見ても涙がこみあげ、先生の挨拶でとうとう泣けてしまった。そして、こんな感動の場にいられたことが、最高に幸せだと感謝せずにはいられなかった。

子どもたちはいよいよあと9日で入試だ。きっと全員合格すると確信している。

その時はまた、K先生に真っ先に連絡をしたい。先生は例の大声で、喜んでくださることだろう。

kaneko150.jpg 色紙と花束を受けるK先生。「ありがとうございました!」

2月23日(月)晴れ 於母家(おもや)

古くから姉のように慕ってきたみーちゃんが、喫茶店を始めた。

窪川町のトンネルを出て左手に折れ、松葉川に向かって1キロほどいったところだ。

のどかな田園地帯が広がる中に、民家を喫茶店にした「於母家」がある。

みーちゃん一家が長年暮らしてきた家(私も泊まったことがある懐かしい家)で、新しい家を建てた時壊すにしのびず、そっくり移築したと聞いていた。

なんだか実家に里帰りするような気分。みーちゃんの「おふくろの味」のような手料理も抜群においしくて、夫など「久しぶりのごちそう」みたいな顔でにこにこだった。

食後には何も言わなくてもコーヒーが出てきた。すべてが自然体。

座敷二間も会合などで使えるようになっていて、「キリコちゃん、親の会でも展示会でも何でもいいから使っていいよ」と言ってくれた。

さっそく夜の親の会で、みんなに紹介。「行こ、行こー!」と盛り上がった。

いいぞいいぞ、お母さんたちすっかり「自分が元気でなきゃー」と分かってきたぞ。

私はとてもいい人たちと出会ってきたし、逆の人とも出会ってきた。

逆の人との出会いがあるから、いい人との出会いが宝物になるんだろう。もちろんみーちゃんとは姉妹と言える仲。

もとテレビ局のアナウンサーで、今は3人の子どものお母さんしながら司会業もこなす。

親の会のお母さんたちにみーちゃんの店を紹介できるのが、わくわくする喜びだった。

みんなでドライブがてら行って、のんびりおしゃべりしてきたい。

2月20日(金)晴れ 廃校利用

西土佐村で「廃校を利用して何かできないか」を話し合っている委員会があるらしい。

今夜そのメンバーの方から、「はーと・らいふ村をテレビで見て、ぜひ見学したいのだが」と電話をいただいた。

マイクロバスで11名ほどで行く、日程は29日の午後と決定しているということだった。

ちょうどポレポレが出かける日で、申し訳なかったがお断りした。

なぜうちなんか?・・・と思ったら、元小学校の跡を利用しているからだと言う。

これからますます幡多地域では廃校が増え、どう利用するかと住民たちが考えることが多くなるだろう。

大月町の「自遊学校」は、民宿として利用していた。木造校舎や広い廊下が、とても懐かしかった。

大豊町では行政が空き家を紹介していると、新聞に掲載されていた。現在11軒あるそうだ。

廃校も空き家も、そうやって積極的に役立てる方法をさぐることは、とてもいいことだと思う。

うちの村の空き家にも、3月にIターンの人が入るらしい。自分で「空き家無いですか?」と探しに来た人だそうだ。

先日お会いしたら、「畑でハーブも育てたい、炭窯で炭も焼きたい、燻製もしたい」と目を輝かせて話してくださった。

makino565.jpg すっかり春!

2月19日(木)晴れ 好きなこと

すっかり春になった。

庭に小さなクロッカスの花が咲いているのを発見した。ぺリウィンクルの紫の花も咲いていたのは、意外だ。

今日は雨水。雪が雨に変わり、春が訪れた。これから啓蟄に向けて、庭仕事が忙しくなる。

蒔きたい種がいっぱいだし、あちこちにこぼれ種で芽を出している植物を、移植もしなければならない。

といっても、こんなに広くてはとうてい移しきれず、毎年畑の野菜たちの中に、あちらこちらで花も咲く。

まっ、いっかー。コンパニオンプランツとばかり、ごちゃまぜでも育ってくれる。

今週はずっと夜も授業に出ていて、今夜やっと家に居る。で、せっせと古い袴や着物をほどいていた。

黒い羽織をほどいて、スカートも1枚縫い上げた。とてもいい絹で、黒に黒の刺繍をほどこしてあるのがおしゃれだ。

好きなことをしていると、時間のたつのを忘れる。

健康で、好きなことをして生きられるのは、それだけで充分すぎるほど幸せ!

中村市商工会議所が専務理事を全国公募したら、129人の応募が殺到したそうだ。その8割は県外という。

年代は半数近くが40代で、四万十川に対する熱い思いをアピールする人が多かったそうだ。

四万十川ブランドと家・畑つきという条件が人気を呼んだのかも知れない。

でも、その底流には「物の豊かさよりも、自然の中で心豊かな暮らしをしたい」人たちが、確実に増えているのではないかという気がする。

kofu061.jpg 古布の服と染め

2月16日(月)晴れ 親の会

ポレポレは注文家具のほとんど、学習机以外はすべて仕上げて、取りに来ていただいたりお届けに行った。

東京のポレポレ島のお店「ふー」にも、宅急便で送った。大きなベンチなどは、宅急便で梱包してくれたそうだ。

お届けに行った土佐清水市では、お土産に手作りのシフォンケーキまでいただいて帰って来た。

それも、自家製レモンと紅茶の入ったケーキ!! とってもおいしくいただいた。

普通はお客様にはこちらが心遣いしなければならないところなのに、うちの場合は逆だ。

海辺に納品に行っては魚をたくさんもらって帰るし、先日の若いご夫婦も和菓子のお土産を持って「学習机お願いします」。

こういうのが田舎ならではなのかも。ただ物を作って売るというだけでなく、気持ちの通い合いがありがたい。

私は夜7時からの親の会に出席し、11時までみんなで話してきた。

先日カンパを送ってくれたSさんから昼に手紙が届いたので、先日の手紙と2通合わせて親たちに紹介しようと思っていたら、なんと夕方本人から電話があって、「これから中村市に向かいます。場所は・・・」と言うではないか!?

Sさんの町からは、1時間30分はかかる。大きな農家でお忙しいのに、本当に親たちと会いたい気持ちなのだと思った。

苺や庭の花や娘さんの詩集、それに手作りの封筒など、たくさんのお土産を抱えてSさんが来てくれた。

今夜はもう一人、初めてのお父さんも来てくれて、とても心強い会だった。

Sさんは詩集の売り上げもカンパしてくださるということで、その場で親たちが買ったけどまだ1冊残部がある。

私があずかっていますので、よろしかったら「村便り」ご覧のみなさまでご希望の方はメールくださいね。

私からはSさんへのお礼に、さゆみさんの「優しさに出会って」をプレゼントした。

simaoka271.jpg Sさんにいただいた花

2月14日(土)晴れ バレンタインデー

春一番が吹いた。

バレンタインデーだったので、昼間は小学生とハートのココアクッキーを焼いた。

ポレポレにはチョコレートケーキ。あまり甘くせず、渋い大人のケーキにした。まあまあの出来かな。

夜、「陽の家」に授業に行ってびっくり! 

ココアケーキを丸ごと、お皿に乗せて持ってきてくれたオミちゃん、丸い缶にスライスアーモンドとチョコレートのケーキを入れて抱えてきたア二ちゃん、一人一人に小袋にクッキーやマーブルチョコレートを入れて持ってきてくれたマオちゃん・・・テーブルの上がお菓子でいっぱい!!

みんなやりますねぇー。入試の勉強の合い間に、紅茶とケーキで幸せな夜間中学でした。

keeki001.jpgキリコ作keeki003.jpgオミちゃんとアニちゃん作keeki006.jpgマオちゃん作

2月13日(金)晴れ 「今日が今日であるうちに」

13日の金曜日って、いいことが起こる日だったんだ!

まず埼玉の見知らぬ人から、電話をいただいたこと。

高知に旅行で来ていて、古代米を「ゆーいんぐ四万十」で買って帰られたのだそうだ。

古代米が取り持つご縁は、これまでも青森、宮城、東京、長野・・・いろいろな都道府県から電話をいただくたびに驚いてしまう。

二つ目は、詩集「今日が今日であるうちに」の作者Sさんのご両親が、「自立を支援する親たちの会」に入ってくださったこと。

その上、カンパまでくださった。本当にありがとうございます。

私はSさんに会ったことはない。図書館で詩集を手にした時、もう彼女は亡くなっていた。

その後、Sさんのお母さんが訪ねて来てくださって、二人で長い時間語り合ったのがお付き合いの始まりだった。

中学時代の不登校、高知北高校に進学して元気に通い始めた矢先の交通事故、そして、詩集の発行・・・。

Sさんが遺したたくさんの詩は、多くの中学生の心に感動をよび、卒業式の答辞の中で読ませてもらったこともあった。

お互いに忙しくてなかなか会えないけど、いつもこうやって子どもたちを応援してくださる大人の一人だ。

そういう大人の存在が、今とても必要だという気がする。

simaoka326.jpg 「今日が今日であるうちに」はローカル通信舎発行 1000円+税

2月12日(木)晴れ  庭は我が家の冷蔵庫

冷蔵庫を開けて食材を確かめ、「なんの料理が作れるかな?」と主婦は考える。

うちの場合は庭の畑に出て、「なんの料理が作れるかな?」と見回す。今の季節はだんぜん「かずき大根」!

「かずき大根の煮物が、一番おいしい」と、家族一同口を揃える。

もう4,5年前になるが、遊びに来た窪川中の保護者が種をくれたのだ。

「煮物にするには、この大根が一番ですね。煮崩れもなく、とてもおいしいですよ」

それから毎年欠かさず、自家採種しながら作り続けている。

花も大根も紫色で、とってもきれい。育てやすくて、おいしくて、おすすめの大根だ。

ただし、生には向かない。うちは大根サラダや大根おろしなど、生で食べるのがけっこう好きだが、これはまずい。

結局我が家では、かずき大根と生食用大根と2種類作ることにした。

かずき大根、種屋さんではあまり見かけない気がするけど・・・、みなさんご存知?

kazuki102.jpg ごめん、土がついたままで。

2月11日(水)晴れ 農村写真コンテスト

ポレポレは朝4時30分に起きて、秋葉祭りの撮影に出かけた。

「キリコさんも休みだから、一緒に行かない?」と誘われたが、私は授業を入れてしまっていた。

小学生と中学生を分けて授業するようにしたので、その分授業回数が増したのだ。

とてもいい天気だったので、一緒に楽しめばよかったとほんの少し後悔した。

でも、あと少し、あと少しだ。全員ぶじ合格の日は、目の前に来ている。

ポレポレが出かけてから、新聞を広げたら農村写真コンテストの佳作に名前が出ていた。

昨日はキタムラカメラから、フォトコン入選の知らせがあった。

農村の方は3年連続で、これまでの「さあ帰ろう」「畝」は、共に私の大好きな写真だった。

秋葉祭りもいいが、ポレポレにはやっぱり「農」をテーマに写真を撮ってもらいたいなー。

別について行けなかったからそう言うのじゃないの。前から私のひそやかな勝手な希望。

ジョニー・ハイマス氏の写真集「たんぼーめぐる季節の物語ー」が私は大好きで、いつも見ている。

contest001.jpg 「さあ帰ろう」この写真はさかさまに見てもおかしくない不思議な作品。

2月9日(月)晴れ ホームページ1周年記念日

おずおずとホームページもどきを開設して、1周年になった。

ソフトも買わずシンプルなただのHPで、「こんなの見てくださる人がいるかなぁ?」と二人で笑っていたのが昨日のようだ。

カウンターを見たら、13100ヒット。みなさまのおかげです。いつも本当にありがとうございます!

リンクしてくださった方々にも、改めて感謝!

一応、「工房ポレポレ」と「古代米」はポレポレが担当。「掲示板」のテーマもポレポレの提案だった。

私は「村便り」と「ハーブ染め」と「詩とエッセィ」担当。

しかし・・・「村便り」を書いていたら、ほかの2つが工事中のまま。ついに1年たってしまった。(汗)

2年目はもっと、みなさんのHPみたいに魅力的にしなきゃあ。

う〜ん、もうちょっとパソコンの勉強しよう。

mugihatake018.jpg 冬でも庭の麦だけは青々と元気いっぱい。

2月8日(日)晴れ オンブバッタ

5歳と2歳の男の子を連れた、若いご夫妻が訪ねて来た。

4月に入学するので、学習机を注文したいというのだった。これから学習机の制作で忙しくなるシーズンだ。

若くてとても可愛いお母さんだが、しっかりポリシーがあって、いわゆる市販の重い学習机は後々ムダになると考えていた。

ポレポレの作る無垢のヒノキの学習机は、とてもシンプルなので、机にもテーブルにもなる。鏡を置けばドレッサーだ。

椅子の背は、その子の好きなものを彫りぬく人と、昔小学校で使っていたような木の椅子にする人と、いろいろある。

今日の男の子は、虫が好きだということだった。

紙と鉛筆を出してあげると、二人とも楽しそうにバッタやトンボやカエルなどの絵を描き出した。とても上手!

「おばちゃんはオンブバッタが好きだなぁ。子どもが乗っててかわいい!」

「子どもじゃないよ、オスだよ」

「へっ?!」

この歳になって初めて、5歳の子どもにオンブバッタの関係を教えられた。そうだったのーー!!

あとでポレポレに、「知ってた?」と聞くと、あきれたように「普通の人はみんな知ってるよ」と言われてしまった。

「親子でくっついて、何の意味があるんだよ」

「だって、親ガメの背中に子ガメを乗せてって言うでしょ。コアラだって背中に子どもやん。ずーと、オンブバッタも親子だと思ってた・・・」

虫博士のために、ポレポレは心を込めてオリジナル学習机を制作することになった。

tukue081.jpg ヒノキは切ってから200年かけて強度が増すのです。すごい!

2月7日(土)雪ときどき晴れ ニオイスミレ

朝早く、神戸の母から宅急便が届いた。ニオイスミレが3種類! 春を運んできてくれた。

東京のおばさんからたくさん送ってもらったので、うちにもおすそわけしてくれたのだと言う。うれしい!

おばさんから母経由でうちに来たものは、ハナズオウもそうだ。もうすっかり大きくなった。

仙台のお庭から、東京、神戸、高知へ・・・元気に花木が広がっている。

まだ外は寒いので、ニオイスミレはリビングに鉢で置こう。

キッチンにも、春になったら植えつけるつもりの鉢が、所狭しと並んで待っている。

グーズベリー、アシズリノジギク、そして1月に神戸から取って帰った道端のニオイスミレ・・・。

春よ来い、早く来い!

nioi101.jpg ニオイスミレはハーブです。

2月6日(金)雪のち晴れ ウグイスの初鳴き

朝起きたら、雪国だった。

昨夜、大雪注意報が出ていたので、予想はしていたが本当によく積もる。

それでもモクとハナの散歩に行ったら、ウグイスが鳴いていた。初鳴きだ。

田んぼにカエルの卵も見つけた。季節は確実に巡っている。

kakine321.jpg ローズマリーの垣根も雪に埋もれた(庭のぐるりはローズマリーを植えている)

2月5日(木)雪  知るということ

私たちは、知らないで損をしていることが、とても多いのではないかと思う。

やはり自分の問題としてぶつかって悩んで、手探りでだんだん分かってくるのだが、もっと早く情報がほしかったと思うことが多い。

医療のこと、介護のこと、山や道路のこと・・・不登校問題もそうだ。

私の場合は、動く、聞く、調べる。まず身近なところから、分からなければ次ぎつぎに・・・。

動けば何らかの答えが出る。どこが手を差し伸べてくれるかも分かる。

いろいろ分かってくるにつれ、「知ると知らないとでは大違いだ」「学ぶということは大切だ」と痛感する。

まだ第一歩。これから具体的に詰めなければならない。子どもたちが生き生きと歩いていけるように・・・。

yukinohana317.jpg 雪の花が咲いたみたい・・・

2月4日(水)雪のち晴れ  新しい黒板をいただいた

また雪だ。

今日は急きょ軽トラで黒板を運ぶことになったので、困ったなあと思っていたら、ちゃんと午後は晴れた。

みことさんとメルシーさんが積み込んでくださって、お母さん2人が降ろして組み立ててくれた。

その上、黒板消しやマグネットもたくさん付けてくださって、一段と便利になった。本当にありがたい。

お母さんたちと井戸端会議になって、「織物をやろう」「ビーズも習おう」「ケーキ作りは公民館の調理室を無料で借りられそうだ」「まずは親が元気で楽しまなくちゃ」などなど、これからやりたいことがいっぱいだ。

みことさん制作の「手仕事展」のきれいなポスターも、もらってきた。早くみんなに見せたいな〜。

夜、押し花のフエさんから電話があったので、来週お菓子のミズちゃんと3人で会うことにした。

いろいろなことが、それぞれに進んでいく。たくさんの人の力で・・・。

usagi267.jpg 古布の「うさぎ」と「金魚」。欲しい人は「きものバンタン」を検索してね。

2月2日(月)曇り こんな人もいる!

高松の「草木染め教室」に行ってきた。今日は茜で染めた。

前回に引き続いての参加者と、新しい方と半々くらいだった。

本当にみなさんいい方ばかりで、雰囲気がよくて、私が一番楽しませていただいた気がする。

きれいな茜色に染まり、絞りも一人一人違ったよさがあって、大成功!some264.jpg 大喜びの参加者。

何から何まで社長さん御夫妻のおかげである。

お礼の気持ちを込めて、「はーと・らいふ村」のお土産を持っていった。ブンタン、古代米・・・

ポレポレが「ブンタンの中から、鳩が飛び出すってのはどう?」と提案してくれたが、宅急便で送るので却下。

いただいたお土産を電車の中で開けて、予想もつかない物に「あっ」と驚いた。

「素敵な先生」というタイトルの、オリジナル本!! それこそ世界に一冊の本だ。hon266.jpg

帯には「人の心 人の優しさ 人の美しさ」「人は人によって変化し続ける」とある。

中は6章からなる小説で、各章のタイトルの初めの一字をつなぐと・・・ちゃんと「やまもときりこ様」になっていた。

う〜〜〜ん、負けた、負けた、負けた! 絶対にかなわない。

キリコが主人公の、しかもすごく内容の深い小説を、いったいどれほどの時間をかけて作り上げてくださった本なのだろう。

世の中には、こんな人もいるんだ!

いかにして相手を喜ばせようかと、心いっぱいにいつも考えていらっしゃる。

どんなにお金を出しても手に入らない、宝物の1冊だ。本当にうれしかった。

うれしいことはまだ続く。

毎回御夫婦で遠くから参加してくださるKさんが、私と社長さんにどんぐりで作った「トトロ」と「顔なし」をプレゼントしてくださったのだ。

すごいアイデア! どこにも売ってない、うれしいお土産! 子どもたちにみせなきゃあ。

帰りの汽車の中で、本当にいろいろなことを考えた。充実した5時間の旅だった。

う〜ん、今日は今年1年分の研修をしたような気がするくらい、学ぶことの多い日だった。

totoro268.jpg 「顔なし」の胴体は、どんぐりの葉っぱよ

2月1日(日)晴れ ポレポレマラソン出場

大方町のマラソン大会で、ポレポレが6kmの部に出場。みんなで応援に行った。

あの大工の塩田さんと同じ部で走るなんて、初めてじゃないかしら?

当然1位は塩田さんで、20分台だった。

ポレポレもよくがんばった。自分では30分くらいかなと言っていたが、27分台だった。

27分59秒・・・。

9時に受付をして、スタートは11時20分だったので、海で遊んだ。

バケツを置いて掘っているおじさんがいたので、「貝ですか?」と尋ねたら、カイはカイでも「ゴカイ」。

それをエサに、夜チヌを釣りに行くのだという。いいねえ、エサから自分でつかまえるのって・・・。

「ゆんべは(夕べは)、こればあながを4匹釣ってきた」と、聞かないのに両手の指で25cmくらい示した。

天気もよく、自然の中でゆったりのんびり。心もすっきり、いい休日だった。

mara018.jpg ポレポレゴール

2004年1月の暮らし

1月31日(土)晴れ キラちゃん登校

「1月はいぬる(帰るの方言)、2月はにげる、3月はさる」というけれど、今日で1月も終わり。

春はもうそこまで来ている。

6時30分から、8時50分まで夜間授業。そのあとお母さんたちと、高校入試の「自己申告書」の親の欄の書き方について話した。

今夜は8名の生徒が出席。中学生6名と、小学生2名。男女別では、女子6名と、男子2名だ。

そのあと、保護者が3名。

異学年の生徒を一人で指導するのは、これ以上は無理かなと思う。

2部屋なので、ひとつを中学3年生5名の受験勉強に使い、もうひとつを小学生2名と中1の3名で使っている。

雰囲気はとても明るい。どっちかというと、にぎやかといってもいいくらいだ。

今日はキラちゃんのお母さんから、うれしい話を聞いた。

昨日の金曜日、キラちゃんが何ヶ月ぶりかで制服を着て、中学校に登校したそうだ。

久しぶりの制服はすっかりつんつるてんになっていたという。

「もうちょっとやけん、上にカーディガンでもはおって、我慢してって言うたがよ」と笑った。

キラちゃんが「明日は学校に行く」と言った時のお母さんの返事は、笑えた。

「何しに?」 キラちゃんがすっかり成長したように、お母さんも強くなっているわぁ。

gakko130.jpg 学校は何をするところ?

1月30日(金)晴れ 高知市へ

午前中に県教育委員会へ、午後から心の教育センターへ行ってきた。午後7時30分過ぎに帰宅。

精神的には実りの多い日だった。安心して5日に会がもてる。疲れたけど、行って良かった。

土佐の教育改革の目玉として「心の教育センター」が出来てから久しいが、私は初めて行った。

去年「陽の家」がスタートする時、所長さんにお電話を差し上げてサポートをお願いした。

電話だけの会話だったが、とてもうれしかったので、この「村便り」に書いたことがあったけど、お会いしてご挨拶できた。

県内で親の会が立ち上げたフリースクールは、「陽の家」しかないということも初めて知った。ほかの市町村にもあれば、参考にしたいと思って行ったのだが・・・。

目の前の親や子どもの願いに応えようと、私は自然な流れの中でここまで来てしまったが、周りから見たら珍しいケースとして戸惑いを与えてしまっただろう。

でも、悪いことではない。これからは行政と民間の連携が、ますます課題となるはずだ。

性急すぎると言われるかも知れないが、日々の親子の苦悩を見ていたらのんびり待ってはいられない。

何よりも、大勢の人々の善意に、背中を押してもらっている。

amae047.jpg モクとハナは仲良し

1月29日(木)晴れ あやとり

染織のM先生からメールをいただいていたので、お言葉に甘えて3時から工房にお邪魔した。

いつ伺っても、先生の工房は落ち着く。古い物を大切に、自分で修理したり工夫したりして使っている。

お忙しいのに、「良かったら生徒さんたちの授業に使って」と、手織り機2台に経糸をかけて準備してくださっていた。

その上、見本を織ってくださっていて、生徒たちが興味をわかせやすいよう、分かりやすく用意してくださった。

本当にうれしい! 生徒よりも、まず私やお母さんが夢中になるわ、これは。

車に乗せて帰って、さっそく裂き織りに挑戦してみた。う〜ん、昔の人はこうやって布1枚も手間ひまかけて織ったんだ。

うちには昔祖母が蚕を飼って、紡いだ糸がたくさんある。

今日、その糸を持参して、M先生に見ていただいた。美しい艶の糸は、絹と麻だった。

落ち着いたら、染めてみようと思っている。そして織る。まずはストールからだ。

経糸を準備する時、「あやをとる」と言って、糸がもつれないようにする技術を教えていただいた。

「子どもの頃した、あやとり。あれはここから生まれた言葉なのよ」と、先生が教えてくださった。

わあ、この歳になって初めて語源を知った。

それにしても、こうやってみなさんが子どもたちを支援してくださるのは、本当に感謝のほかない。

susuki054.jpg すすきも染めの材料になる

1月28日(水)晴れ  薪ストーブ

薪がすごい勢いで減っていく。

ポレポレが適当な大きさに切った木を積み上げて、1年ほど裏庭で乾燥した薪を使っているが、一晩にコンテナ1箱くらい燃やす。

仕事から帰って、勝手口から「ただ今」と入った時、一番薪ストーブの暖かさを実感する。

じっくりと体の芯まで暖めてくれる、とても自然な暖かさだ。

火が部屋で燃えているのを見ると、なんだか落ち着く。

パチパチという音が、リラクゼーションになっている。ゆったりと廻るファンもだ。

冬になるとそこが特等席なので、何でもそこに持ってきてやってしまう。

食事も、新聞読むのも、編み物も、手紙を書くのも、着替えるのも・・・みんなそこ。

就寝時間がきて二階の寝室に上がったら、ベットの頭側にある吹き抜けの窓を開け放つ。

吹き抜けにたまっている暖かい空気を寝室に入れるのが、寝る前の儀式だ。

当然のことだが、1階よりも吹き抜けの手すりの辺りが一番暖かい。

だから、そこにはこの季節、寒さに弱いハーブの鉢を置いている。レモンバーベナだ。

暖かいのはいいのだが、普段の通り道ではない場所なので、水やりを忘れそうになる。そっちが心配だ。

moku097.jpg 工房の入り口で雪を見るモク(手前はハナの小屋)

1月27日(火)晴れ 道は開ける!

昨日も今日も、明日試験の生徒に面接の練習。

昼間は理数のK先生が授業をしてくださって、夜はくーこ先生が授業をしてくださった。

明日、とにかく元気で起きて、がんばって来て!! きっと認めてくれる人はいる。努力はムダではない。道は開けるから。

今日は、県教育委員会から電話があった。

一度、陽の家を訪問し、親と話し合いをしたい。どういう支援ができるか検討したい、ということだった。

すぐにお母さんたちに連絡をとり、日程を決めた。もちろんすぐ「出席します」の返事だった。

男性もいてほしい。K先生がすぐに、「僕も出ます」と言ってくださった。ありがたい。

今教育に必要なのは、偉い人の立派なお話ではなくて、目の前で泣いている子どもに関わること、真剣に手を差し伸べること。

とりあえず私の役目は、子どもと親を応援すること。段取りを組んだから、これから親たちが真正面からしっかりがんばって。

「村便り」を読んで、お店で余っている机や椅子や黒板を提供しようと言ってくださったみことさんとメルシーさん。手織り機に経糸をかけたから、授業に役に立ててとメールをくださった、私の染めの師匠のM先生。本当にありがとうございます。

優しい人々に囲まれて、陽(ひざし)の家は今日もあったかいです。

1月25日(日)雪 またもや雪!

昨夜は9時まで授業だった。

新しい生徒がまた増えて、もう満席。テーブル1つに6名が向かい合っているので、A4のプリントを広げるのがやっと。

受験が近づき、「自己申告書」の下書きをしている。

他県ではどうなのだろう? 高知県では、不登校の生徒が高校受験する時、本人および親が申告できる制度があるのだ。

出席日数、内申書で不利になる分、自己申告書によって事情を訴えることができる。

中学校で心身を著しく傷つけられて、学習する権利を失わざるをえないところに追い込まれた生徒たちが、不利益を少しでも軽減できるかもしれない制度である。

「学校には行かなくても、みんなはこんなに頑張って勉強しているし、将来の夢も持っている。絶対、高校に行きたいんだとPRするのよ」と、私は力説した。

「先生、書ききれん・・・」と訴える子もいる。そうだよね。これまでの道のりを書いていたら、形ばかりの小さな欄に書ききれないよね。

私の方から事情を聞いたことはなかったが、この申告書によって初めて不登校の原因を知った生徒もいた。

当面、私の最大の目標は、この子たち全員希望の高校に入学して、晴れやかな笑顔を見ること!

今日も晴れていれば、面接の練習をする予定だった。

ところが、朝起きてびっくり。先日よりも、もっと雪が積もっているではないか。

「うわぁ、すごい!」と興奮した声に夫も飛び起き、しばし雪景色の中で2人と2匹がはしゃいでしまった。

今夜もまだ雪は降っている。

yuki313.jpg まるでモノクロみたい(リビングからベランダと庭を写す)

1月24日(土)晴れ 「野の手仕事展」土佐清水で

今年初の「野の手仕事展」は、土佐清水市の「えぶりでぃキッチン」多目的ホールで開催することになった。

日時は3月14日(日)、15日(月)で、10時から16時まで

昨年、うちの手仕事展に来てくださった方が、ぜひ土佐清水市でも同じ内容で・・・と計画してくださったのだ。

今回も楽しいメンバーが大勢集合する。

天然石のみことさん、古布衣のミホちゃん、木工のポレポレ、ハーブ染めのキリコ・・・はいつものメンバーだが、押し花のフエさん、陶芸の空(くう)さん、手作り菓子工房のミズちゃん、男性3名女性4名の7人衆!!

全員キリコつながりの人たちなので、初対面のメンバー同士をお引き合わせする楽しみもある。

今回中心になって準備しているフエさんは、以前この村便りに登場したことがある染めの生徒さん。

教室で出会って、うちに訪ねて来るようになり、押し花インストラクターとして活動し始めた。

年明けにフエさんからいただいた美しい字の手紙は、心温まる内容だった。

「昨年の8月、先生のおかげで押し花教室を開催することができ、本当にありがとうございました。

 先生には何かと助けていただき、私はとてもうれしかったです。

 また、いろいろ教えていただいた事も、感謝しております。

 先生のお宅でのお話会!! は、私にとってとても大切な時間でした。また、ぜひお願いいたします。

 先生のおかげで重い腰が上がり、土佐清水での教室や病院でのリハビリ教室をするようになりました。

 また、1月からは他の予定も入ってきました。うれしい限りです。

 またрキると思いますが、先生も忙しい中ですが、時間をぜひ空けてください。会いたいです。では、また・・・」

フエさんの自信になるよう、土佐清水市での「野の手仕事展7人衆」を大成功させたい。

urusi051.jpg 拭き漆はこんなふうにお風呂を利用して塗り重ねていく(栃の拭き漆テーブル板)

1月22日(木)雪 感動の花咲かおじさん

この冬一番の雪! 一面真っ白な世界に、まだ降っている。

今夜の授業は中止になるかもしれないなあ。

昨日は「陽(ひざし)の家」の玄関ポストで、ピンクの封筒を発見。「山本キリコ先生」と私の名前が書いてある。

一目で「わくわくレターだ!」と分かった。

以前もこの村便りでご紹介した、高松市のきもの会社の社長さんからで、ステキな和紙の便箋に心のこもったメッセージが綴られていた。

すごく手のこんだお土産のお菓子の包みから出てきた「ふくよかさん」人形、あのお礼の手紙に対してまたお返事をくださったのだ。

まだ会ったことのない生徒たちのことを、「どうして知っているの?!」と本人がびっくりしたくらい、よく理解して綴ってくださっていた。

外は寒いが教室の中は、ピンクの封筒から飛び出した色とりどりの花が、春を運んできたような心地よさが漂った。

貧しい孤児の少女に夢を与える「足長おじさん」という本を読んだことがあるが、社長さんは子どもたちの心に感動を咲かせる「花咲かおじさん」というところか。

感動こそ、人の心を動かし、人を成長させるものだと思う。本当にありがたい。

「わくわくレター」というのは、700人ものお客さまに毎月送っているお便りのこと。私もいただいたことがあるが、季節感たっぷりのわくわくするお知らせがいっぱいだった。

きれいな和紙の紅葉が、はらはらと封筒からこぼれ出て、「わぁ」とうれしくなったこともある。

昨秋から「草木染め教室」に行かせていただいていて、2回目がもうすぐ。再会が楽しみだ。

yuki112.jpg

1月21日(水)晴れ ギブスがとれた

予定より2日早く、右手のギブスがとれた。何でも普通にして過ごしたので、あっという間だった気がする。

久しぶりに見る右手は、自分のものではないように見えて、変だった。

「大事な右手をひどい目にあわせてしまって、ごめんね。これから肝に銘じて、大切にするからね」と撫でた。

同時に、ここしばらく本当によく働いてくれた左手も、「よくがんばったね」とねぎらった。

私は左利きではない。ぶっつけ本番で、左手でお箸を持ってご飯を食べ、左手で字を書き、包丁も握った。

職場の上司が、「キリコさんは左利きやったが?」と尋ねたほど、何でもやってくれた左手に助けられた。

リハビリのつもりでやった編み物も、ベストが1枚できた。

編み物は子どもの頃から大好きで、夫にも凝ったアラン模様のセーターを編んだり、カラフルな模様編みを工夫するのが楽しかった。

でも、今回ばかりは、編み目もふぞろいな、ただのメリヤス編みだ。

このベストを着ることで、自分に言い聞かせよう。「自分の体を大事に!」

午後から授業だったので、病院の帰りに「陽の家」に行った。そこでとってもうれしいことがあったのだけど、それはまた明日!

tade495.jpg たでの花は藍の花とそっくり!

1月17日(土)曇りのち晴れ 注文家具

工房はこのところ注文家具の制作で楽しそうだ。

暮れに同じ地域の方が、仏壇を置く箪笥式の台が欲しいので家まで来てほしいと訪ねて来た。

「わがままやけんど、毎日拝むものやから高さも私に合わせてほしいので、見てもらいたい」とおっしゃる。

すぐにその足で夫もついて行って、ラフスケッチを描いて打ち合わせをしてきた。

「きちんと図面を描いて、見積もりしてお知らせしますと言ったけど、いいですいいです、値段もすべておまかせだと言うんだよ」と、戸惑っているふうだった。

「そう言うのなら、かまわないんじゃないの。あの方は確か、展示会にも地域の奥さんたちと一緒に何度か来てくださってた。ポレポレさんの作品をよく見た上で、注文してくださっているのだと思うわ。それに、うちへ来る前に家具屋さんも何軒も廻ったのかも知れない。でも、たぶんちょうど適当なサイズで、自分に合ったものなんて、なかなか無いと思うの。注文家具ならそれが可能なのよ。」と私は夫の戸惑いを払拭した。

夫の仕事を見ていて、本当に私はそう思うのだ。

制作するほうは毎回思考が要求され、大変だと思うが、傍で見ている者には大変おもしろい。

夏から何度も打ち合わせを重ねてきた、オーディオ好きの人のスピーカー2組も、いよいよ制作に入ることになった。

すごくこだわりのある人だと思うし、市販のものでは満足できなくて、自分の気に入ったものを手に入れたいのだろう。

今日は、以前本棚を注文してくださった方から、お母さまが大切に使っていた家具を修理してほしいとメールがあり、土佐清水市まで

見に行ってきた。

私も母の愛用した桐の箪笥を修理してもらって、すごくステキになって嬉しかった経験がある。

本棚の注文で出会った時から、とてもいい方だなあと心ひかれていたのが、今回のメールでよりいっそう強くなった。

大量生産、大量消費ではなく、物を大切に使い継いでいこうとする心が、私たちも共感できるのだ。

そういう人のお役に、ぜひ立たせてもらってほしい。そう思っていたら、家具を車に積んで帰ってきたのでニッコリ。

お金儲けにはつながらないが(したがって現代はこんな仕事をする人がいなくなってしまったが)、喜んで引き受ける工房が一つくらいあってもいい。むしろ誇りに思う。

tansu261.jpg 横に鋼の持ち手がついていて3つに分かれる、母が64年間愛用した桐の箪笥

1月15日(木)晴れ 新しい男の子

夜、授業に行ったら、床にホットカーペットが敷かれていた。

家主さんだ。一段と寒くなってきたので、足元が寒くないようにと、敷いてくださったのだ!

今日また新しく中1の男子生徒が加わった。いきなり授業というのも大変なので、「隣の部屋で先生とお話しようか?」と言うとコクリ。

いつも来ている子たちに指示を出してから、その子にいろいろ話しかける。

「何か好きなことあるかな?」「うーん、別に・・・」

来るだけでも勇気がいったと思うのだ。急に知らない小中学生や先生と出会うのだから、初めての時は誰でも緊張する。

ふすま1枚で区切られた部屋だから、隣でみんなが耳をそばだてて勉強しているのがわかる。

しばらくしてから、「じゃあ、1歳下だけど友達紹介するね。男の子同士、よかったらおしゃべりしてよ」と6年の子を呼んだ。

「やあ!」別の学校だから初対面のはずだが、人懐こいキャラに助けられた。

みんなでトランプでもしようかということになり、先に課題が終わった子が家まで取りに帰ってくれた。

その間に全員が課題を終え、中3の女子2人が紅茶を入れてくれて、新しい子も含めて全員でテーブルにつくことができた。

「何をしようか?」「ババ抜きは嫌だからね」と私が念を押す。結局私が教えたのにした。「早当て」だ。

わいわいきゃーきゃー盛り上がって、お迎えのお母さんが来たことも気づかないほど熱中した。

やっと笑顔が見られて、とってもうれしかった。次回も勉強が終わってから、またみんなでやろうということになった。

「オセロがうちにある」「将棋がある」とそれぞれ申告してくれる。いいねぇ。

いろいろな学校の、それぞれ違った学年の生徒たちだが、ここはれっきとしたクラスだ。

一人一人の個性が、みんな認められる場所だ。クラスって、本来そういうところのはずでしょ?

1月13日(火)雨のち雪  モイヤー先生とNさん夫妻

久しぶりの雨が、夕方仕事から帰る頃にはぼたん雪になっていた。

大雪注意報も出たし、明日は銀世界になっているかもしれない。

夕飯の支度を二人でしながら、今日一日の情報交換をする。

私からは「世界的な海洋学者のモイヤー先生が、自殺なさったんですって。」とショッキングなニュースを話した。

「えー、信じられない」と夫も大きな声で驚いた。

夫からは、「Nさん夫妻が挨拶に来られたよ。やっぱり引っ越すんだって・・・」冷蔵庫にエビスビールをいただいていた。

Nさん夫妻は200mほど離れた家に住むIターンの方で、この村では無農薬でお米を栽培している唯一の仲間だった。

京都の学校の先生に採用されたという噂を耳にしていたが、やはり本当だったのだ。

Nさん夫妻にとって喜ばしいスタートに違いないのだが、もう7年くらい暮らしていただけにお別れは淋しい気がする。

引っ越しは3月だそうだが、うちの土地をお貸しして住んでいたので、早めの挨拶になったのかもと想像した。

「陽だまり山荘」と私が呼んでいる丘の上の木の家に、次はどんな人が住むのだろう。

願わくばNさん夫婦のようないい方たちで、農のある暮らしがしたい人で、物づくりに興味がある人だとうれしいなぁ。

馬荷に作家たちが増えていき、「グリーンクラフトツーリズム」の方向に進めないかと、だいぶ前から思っている。

letasu093.jpg 庭のレタスも凍えそう・・・

1月9日(金)晴れ アサヒカメラ賞表彰式

朝日新聞東京本社の浜離宮朝日ホールで、「2003年度アサヒカメラ賞」の表彰式があった。

ポレポレが出席するので、私も「村便りの取材をしてこなきゃ・・・」と使命感に燃えて(?!)くっついて行ってきた。

昨年の応募作品数は53000点あまり。その中から各部門で選ばれた上位3名ずつ、17名のみなさんが全国から集まっていた。

私は写真はまったく解からないが、ポレポレがいつも「ほら見て!いいよねー、この写真」と雑誌を広げて見せてくれるせいで、自然に写真が心に残っていた。

だから、その作者にお会いできて、「あー、この方があの写真の・・・」と結びついて、とてもうれしかった。

5人の審査員の先生は、もちろん全国的に有名な方々ばかりで、サインのための色紙をちゃんと用意してきている受賞者もいた。

表彰状、楯、賞金、副賞の賞品をいただいいて、記念撮影、立食パーティーのあと、新宿のコニカプラザへ案内していただいた。

ここを皮切りに、全国あちらこちらの会場で「受賞作品展」が行われる。

新宿は14日まで、仙台、名古屋、大阪、福岡のキャノンサロン、新潟県新津市美術館などで予定されていますので、お近くの方はぜひのぞいてやってください。

ポレポレにとって、この受賞は身に余る光栄、本当に大きいものだったと思う。

審査員の先生はじめ、全国のすぐれたカメラマンの方々とじかにお話できて、すごく学ぶことが多かったと思うし、新たな意欲もかきたてられたことだろう。

さて、今年もまた新たなチャレンジが始まる。

asahi143.jpg 左から3人目がポレポレ。右横が「アサヒカメラ」編集長さん、三好和義先生のお顔も・・

1月6日(火)晴れ 健康家庭

ほんとうにいい天気が続く。

新しい区長さんが、町長さんの文書と町からの贈り物を持ってきてくださった。

1年間保険証を使用しなかったので、「健康家庭」に選ばれたのだという。これは家庭というよりポレポレ個人の賞だ。

健康であるということは、何よりありがたいことだ。

健康を維持する努力をすることは、何千万もの貯金をすることに匹敵するのかもしれない。

私は元気だと周りの人にもよく言われ、自分でも自信過剰になっていた。かなりオーバーワークになっていたと反省する。

身についた貧乏性でじっとしていることが苦手なのだが、これを機に少し改めよう。

・・・と書きつつ、自分で運転してフリースクール陽(ひざし)の家に行ってきた!!

1月5日(月)晴れ 10年日記

今年初めてのラジオの収録があった。

年明けにふさわしい話題を・・・と思って、「10年日記」のことを話した。

ポレポレと私に共通する点の1つに、日記を書く習慣がある。

結婚してからそれを知った時、お互いに出会った日の日記を朗読しあって、笑いころげたことがあった。

私のほうは小学5年生からずっと書いてきたのだが、2000年から「10年日記」にした。

石原出版社発行のもので、4800円もした。高いなぁと思ったけれど、4年間書いてみて「これはオススメ!」と思うようになった。

1年目はともかく、2年目、3年目・・・と、だんだんおもしろくなる。

1ページに10年分書けるようになっているので、去年何をしていたか、一目瞭然なのだ。

3日前のことすら忘れてしまっている私なので、読んでいると自分でもおもしろい。とにかく何でも書いておく。

大事なことや次の年の参考になりそうなことは、赤で書く。

うちは農的な暮らしをしているので、種まきの時期など記録が役立つことが多い。

もう一つ、日記の最初の10ページは年頭所感を書くようになっていて、二人で今年の目標を5つずつ書いている。

できるだけ具体的に書くのがコツだ。年末にそれが達成できたか、○△×でチェックする。

自慢じゃないけど、去年なんて私の目標は×ばっかり。

「キリコさん、ちゃんと足元を見て目標をたてないからだよ」と、夫にお説教されてしまった。

ちなみに@物を減らしてすっきり暮らす。A・・・B・・・というような目標が並んでいたんだけど・・・。

ままならないもんね。さて、今年の5つの目標はいかに??

1月4日(日)晴れ 命日

元旦からずっといい天気が続く。

母の命日だったので、みんなでお墓参りに行ってきた。

去年はしんしんと雪が降っていた。

毎朝ベットの中の母に挨拶をするのが、私の一日のスタートだった。

母は口もきけず、寝返りもうてない状態だったが、それでも朝顔を見ただけで調子がいいのか悪いのか、判断ができた。

6年間の介護の中で、言葉以上に通じ合えるものがあることが分かっていた。

その日の朝は、母はいつになく哀しい表情をしていたのだが、私には原因が分からず、「どうしたのお母さん、そんな顔して。ほら、にっこりして」と両手で顔をはさんでなでなでした。

いつもなら頬ずりしたりして「大好き」とささやくと表情をくずすのだが、その朝は遠くを見つめているような目つきで、さみしい表情のままだったのだ。

今になって思えば、その日のうちにお別れすることを、母は分かっていたのではないかと思う。

一日中、静かに雪が降り続いた。

不思議なことに、その夜になって突然、来る予定もなかった妹たち親子4人が泊まりに来た。

母は私たち家族、嫁いだ妹の家族全員にベットをぐるりと取り囲まれながら、大きな息を二つして、まったく苦しむことなくやすらかに旅立っていった。

急性心不全と病名がついたが、まるで燃やし続けた命の火が燃え尽きてふっと消えたような感じだった。

母の大好きだった主治医の小笠原先生、週3回訪問してくださった看護婦のTさんも、夜中なのにすぐに駆けつけてきてみとってくださった。本当にうれしかった。

母は病院が嫌いだったので、在宅介護のまま家族に見守られて旅立ったのは、母らしい最期だと自分に言い聞かせている。

大晦日の「紅白歌合戦」を見ていたら、川中美幸さんが「おかあちゃん」と歌うのを聴いて、涙が止まらなくなってしまった。

1月3日(土)晴れ きんかんの甘露煮

年末にきんかんがたくさん採れたので、フォークで穴をあけてゆで、水にさらしてから甘露煮にした。

ホワイトリカーで煮たらいいと教えてくれたので、その通りにしたらすごく照りがきれいになった。

しわもなく、風船のようにぷっくりつやつやの甘露煮を、ガラス瓶に入れて保存しておく。

お茶うけにもいいし、お客さまのお土産に渡しても喜ばれる。

フルーツケーキに入れて焼いても、オレンジピールとはまた違った味でおいしいことを発見した時は、すごく得した気分だった。

kinkan287.jpg 洗って干しているきんかん

1月2日(金)晴れ 初会

毎年2日には、集落の「初会」がある。各戸1名出席して、区長さんを選出、いろいろなことを決めたりする。

場所はうちのすぐ隣の「老人いこいの家」だ。

たぶん県内の各市町村では、どこでもやっていると思う。町をさらに集落に分け、自治を行っていくのだ。

その費用として、1戸あたり年間1万2800円ほど年末に支払う。

「出役」(でやく)といって、みんなで共同作業をすることもある。

おもに山の手入れや、川の清掃や、道路の補修などだ。

Iターンの人にとっては、地域の人と交流を深めるチャンスだろう。

会にはポレポレが出席、私は年賀状のお返事を書いた。

高松市の「草木染め教室」で一度だけお会いした方の年賀状は、玉葱の皮で染めたというきれいな黄金色だった。

「次回の教室にも参加したいと思っています」と書かれていて、うれしくなった。

人との出会いは、人生の喜び。人と自然が大好きなので、今年もよき出会いを楽しみにしている。

sumiresoo527.jpg 馬荷はすみれの宝庫。冬の間も可憐な花が見られる。

1月1日(木)晴れ チャレンジ

今年もどうぞよろしくお願いします。

2004年がみなさまにとって、世界にとって、幸せ多い1年となりますように・・・   

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「はーと・らいふ村」は今年のキィーワードを、「チャレンジ」にした。

年末に夫が手帳に書き抜いていた言葉がとてもよかったので、「それに決まり!」。

世の中には「批判的な生き方」と「自らが挑戦する生き方」がある。

情報の氾濫に翻弄され、ただ客観的に批判をする人生ではなく、自らが挑戦する人生を歩みたい。

成し遂げたい仕事、あるいは趣味の領域においても、ベストを尽くしてチャレンジする。

「自らが挑戦する生き方」は、絶えず新鮮な感動を育み、充実した人生を歩む大切な一歩である。

およそこんな内容だったと思う。

二人で協力してチャレンジしたいこともあれば、それぞれにチャレンジしたいこともある。

お互いに楽しみながらベストを尽くそう。

元旦の今日は、判で押したように例年通りのスタートをきる。

初日の出を見て、年取りの行事を恵方に向かってして、三社の氏神様に初詣のあとお墓参り。

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